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【教養】私たちは「フォント」について何も知らない
中野 香織Kaori Nakano Co.,Ltd. イギリス文化を起点に、ダンディズム史、ファッション史、ラグジュアリー領域へと研究対象を広げている
おもしろい! フォントによる印象の違いは漠然と感じていましたが、こうして理論的に語られると納得感があります。明朝体ハラスメント「ミンハラ」って(笑)
カリグラフィーを習ったときの講師の方が、ファッションブランドのインビテーションを書く仕事もなさっており、エピソードを伺ったことがあります。ブランドによって、またイベントによって、字の書き分けを細かく指定されると。そこまで人間の感覚をコントロールしてこそのブランディングなのかと感銘を受けた記憶があります。字体が人の感覚に与える影響、侮れませんね。
英キャサリン妃、がんで治療中と公表 1月術後に見つかる
中野 香織Kaori Nakano Co.,Ltd. イギリス文化を起点に、ダンディズム史、ファッション史、ラグジュアリー領域へと研究対象を広げている
キャサリン皇太子妃がビデオメッセージで自ら伝えました。手術後に癌が見つかり治療中であると。メディアの度を過ぎた詮索や、病院スタッフによるカルテへの接近など、異様な事態でした。元気な姿を見せて国民を安心させようとした写真公開では逆に加工を謝罪する羽目に陥ったり。ストレスはいかばかりか。
こうした雑音を封じるには自ら話すという形の公表しかないと判断されたのでしょうね。感謝を伝え、がん患者を激励し、自分はよいほうに向かっていると安心させながら、最後のほうで、プライバシーへの理解を切にお願いしていらっしゃいました。ただでさえがん治療に向き合う試練があるのにここまで対応しなくてはならないとは。外部ストレスのない静かな環境で療養に専念されますように。完治をお祈りします。
超高級バッグ「バーキン」が買えない、米消費者が仏エルメスを提訴
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そんな訴訟を起こされたらますますバーキンの価格が上がりますね(笑)
そこまでして欲しがられるというコンテクストを作ったブランディングはさすがエルメス、あっぱれです。
バーキンはもはや「バッグ」というカテゴリーを超えた神秘の偶像のようになっていますね。それはそれでブランディングの成功なので、良いことだと思う。自身のブランディングを主体的に、戦略的に貫くエルメスはリスペクトします。
ただ、これを買うために、「購買実績」を積み上げて、ようやく「購入させていただく資格をいただける」「購買を許可していただける」ことをありがたがる従属的な消費者って、天の視点から見ると、どう見えるのか。中古で高く売れる資産にもなるからなりふりかまわなくなるのか。偶像崇拝のあやうさと滑稽さを見る思いがします。
フランス ファストファッション規制法案が国民議会を通過
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環境に過重な負荷をかけるファストファッションを規制する法案、フランスで国民議会を通過。生産量とコレクションの回転速度で判断するようです。よいことだ。もう作りすぎなんです。みんなわかっているのにやめない。ならば法で厳しく規制するのも手です。衣料品のゴミ箱にされ、苦しんでいるケニアの叫びをみんな聞こう。環境汚染が引き起こす気候変動がめぐりめぐって災害としてわが身にふりかかる、そこまで想像を及ぼしたいものです。
ファッションと環境問題に関わるこの手の規制法案をつくることにかけて、フランスはいつも世界に先駆けていますね。
Loro Piana’s $9,000 Sweaters Rely on Unpaid Farmers in Peru
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クワイエットラグジュアリーの代表格のようにもてはやされるロロ・ピアーナ(LVMH傘下)ですが、ペルーの稀少なビキューナの原毛を使っているということで、一着100万円くらいのセーターを売っています。一方、ペルー先住民コミュニティは、自らの労働に対して十分な報酬を受け取ることができておらず、貧困との闘いを続けていると記事にあります。(セーター1着分の生地で約280ドルを得ているが、収穫に必要なすべての人に支払うには十分ではない。外部に雇われた労働者は約20ドルを得るが、地元の人々は無料で働くことが期待されている。)クワイエット・スレイバリー(静かな奴隷制)というわけですね。
Loro Piana、ひいてはLVMHの株主ばかりが富裕になり続け、産地の労働者はますます貧困化するという高度資本主義特有の構図が見えます。
ブルームバーグが記事を出して3日経ち、国外の各メディアが追い、インスタでも大荒れしているネタですが、なぜか日本では静か。誰も語らない。たぶん広告主たるLVMHに忖度しているのでしょうか。これから日本でも記事化されるかもしれませんが、とりあずピックしておきます。
「結婚を避け、子供をもたない」ほうが人生のコスパが良い現代の日本人に起きている"憂慮すべき変化"
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仏下院、ファストファッション罰則法案可決 シーインなど対象
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フランスは広くファッションにまつわる問題を法で取り締まることにかけては常に世界に先んじていますね。こういう罰則法案、各国も続いてほしい。
廃棄された衣類がどこへ行くのかといえば、アフリカ。ケニアでは衣類のごみの山が深刻な環境問題を引き起こしています。中里唯馬さんがケニアの衣類ゴミに直面するドキュメンタリー映画がちょうど16日に公開されます。ぜひご覧いただきたいですし、もし地方などでご覧になるチャンスがなければ、拙稿で恐縮ですが、映画の写真も掲載しているので、お読みになってみてください↓
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/79902
プチプラでおしゃれ、とか言って問題企業にお金を落とすことが結果的に自分の首を絞める。だからといってハイブランドが倫理的かといえばさらに曖昧であったりする。高度資本主義化のファッション産業全体が抜本的に変わる必要があります。
YOASOBI、ソニック、キティが「世界で勝てた共通点」
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本当に面白く勉強になりました。
・アメリカ人がサブスクのアニメにより字幕が読めるようになったことで、日本語の壁がなくなったという指摘! 日本語に接する機会が増えたことがJポップ人気の押し上げにつながったという流れの解説に納得。
・SEGA里見治紀さんのお話が最初から最後まで生々しいリアリティ満載で釘付けになります。M&Aのお話もすごいのですが、白眉は、ハリウッドと組むことのメリットとデメリットが浮き彫りになるエピソードの披露。「ブランドと知名度」の違いの解説、「スピード感のために分社」することのメリットなどもごく自然にさしはさまれ、脳内でドキュメンタリー映画のような情景が広がりました。
ヘンリー英王子、王室復帰を希望=がん診断の国王支援で―英紙
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ファミリーのいざこざ、なんでもありのプライベート劇場を見せるのが英王室の伝統でもあり。内外の視線に常にさらされるなか、マイナスのイメージを長く背負ってきたカミラ妃は公務をひたすら頑張ることで支持を得たりもしています。長い長い時間がかかりましたけどね。
ハリー王子ひとりなら、まだ復活の余地がひょっとしたらあるのかもしれませんが、メーガン・マークルがくっついてくるとなると問題ですね。メーガンのエゴとあからさまな野心はもう明らかすぎるほど明らかで、英各紙の報道を見る限り、今のところ「挽回の余地なし」という印象です。
英「ヴォーグ」の表紙に豪華セレブ40人が集結 現編集長のラスト号でケイト・モスやナオミ・キャンベル、ジジ・ハディッドほか
中野 香織Kaori Nakano Co.,Ltd. イギリス文化を起点に、ダンディズム史、ファッション史、ラグジュアリー領域へと研究対象を広げている
エドワード・エニンフルが2017年に黒人・男性・ゲイというマイノリティばりばりでありながら初の英ヴォーグ編集長に就き、時代の変わり目を刻んでから7年弱。今ではむしろこうした要素はイギリスのファッションカルチャーの主要な一角をなすようになっています。時の流れを感じます。
彼の成功の最大の要因のひとつは、ネットワーク力。前職を通じて着々とオーガニックな人間の関係を構築してきて、そうした信頼が彼を押し上げたところがあるようです。この表紙はその総決算にも見え、エドワードの人間力も感じさせて感慨深いですね。
だからこそ、一度だけヴォーグの「ゲストエディター」を務めた(2019年)メーガン・マークルが気持ちよくスルーされているのも快いですね。信頼や友愛がないところ、美も仕事も論外になるという好例にも見えます。
NORMAL
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