野付 敦

演劇界の末端にいる身としては、ハラスメントが多いというのは実感としてある。僕が最初に所属した某新劇の劇団は、いわゆる中途採用みたいなのがなく、お局様と化したベテランさんが凄まじいパワハラをしてた。幸い僕はそのターゲットにならずに済んだけど、見てるだけで不愉快だし、誰もそれを諫められないのも不愉快極まりないので、辞める決意がつくのがはやかった。結局、みんな仲良く下っ端から採用され、外からの風を取り込めないから、蛸壺の中でろくでもないパワハラが蔓延る。そして、それが当たり前のまま中年へ、高齢者へなっていくから自浄作用もへったくれもない。上の人ほど、俺の時はもっとひどかった自慢ばかりするしね。というわけで、（僕が見てきた）演劇界については、自浄作用ないと思うので外から何とかしてもらうしかないんじゃないかなぁ。 あと、オジサン俳優からの新人女優へのセクハラは本当に多いね。自覚がないから始末に負えない。セクハラやパワハラの講習を必須にしていくべきだと思うな。 「作品のため」って言い訳する輩も多すぎる。

演劇において、海外とりわけ欧米諸国の劇場は未だに再開が困難な中、日本は少しずつ元に戻ろうとしている。ただ、それでも稽古前や本番前にキャストスタッフ全員PCR検査を受け、一人でも陽性がいれば中止を余儀なくされる現状があり、僕も再来週から本番のスタッフで参加してる現場があるが、PCRの結果発表は本当にハラハラした。作品の規模が大きいほど関わる人数も増えるからあまりにもリスキーすぎる。また、作り手とお客さんとでコロナへの考え方のギャップが大きいだけでなく、作り手の中でも一人一人感覚が違うので、そのすり合わせのためのミーティングがとても多い。今、公演をうってるカンパニーはどこも赤字だろう。オンライン配信すればいいじゃないか？との声もあるが、そのためのコストに見合った収益があがるのかというと正直焼け石に水なのが現実。あの英国のナショナルシアターですら、スタッフの多くをレイオフしてる。あと2.3年はキツい日々が続くと腹をくくって頑張るしかない。 しかし、芝居の仕事が復活し、改めてこの仕事楽しいなぁと実感する。

国立国会図書館デジタルコレクションは演劇の小道具作りの際、非常に助けられました。なんせ、大正時代の女性雑誌とかがかなり読めるのです。岸田國士をやるときに重宝しました。あとなにより読んでて楽しいんですよね。

小池百合子、豊洲とかで人様をさんざん振り回したしっぺ返しをくらってて笑う。あんなアホみたいな対策してたんだから今回の決定は当然。東京は責任を取って札幌開催の費用を負担しろ。 あと北京やロンドンやリオのゴタゴタをバカにしてたのがいかに愚かであったか自戒。日本のが遥かにヒドい。オリンピック後はペンペン草も生えない不毛な大地が広がるのが目に見えてる。未来は暗い。

文科相の発言は格差を是正すべき政治家あるまじき発言だし、英語民間試験も一律でやる必然性がないし、オリンピックと同様、始まる前から見るに耐えないゴダゴダが多すぎる。割を食うのは現場の人間だってことを上の人は全然理解してないよね。この国のお偉方は現場の人間やコトの当事者へのデリカシーがなさすぎる。

今年はみんなジョーカーのメイクして大暴れ、、みたいなことにならないかな？