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ジャニーズ解体のその後……ほかにスタッフ2人がタレントに性的加害
小川 一毎日新聞 客員編集委員
BBCの報道によって長年見過ごされていた性被害が初めて問題化したことは、日本のメディアとして残念なことではあります。ただ、内部の人にとって空気のようになってしまった問題は、外部の目でこそ抉られる面もあります。ハリウッドの大物プロデューサーによる性被害の問題は、ハリウッドのしきたりには無縁だった女性記者たちが、無縁だったからこそ成し遂げた調査報道です。ジャーニーズ問題では、日本のメディアはいわば当事者でもあります。BBCのインタビューは、やはりBBCだからこそできた面があると思います。日本のメディアは自らを鍛え続けること、そして日本の社会は日本だから海外だからといった狭い了見は捨て、自らの既成概念も捨て、事実に真摯に向き合うことだと思います。
英王室、故エリザベス女王の公式写真もデジタル加工か 撮影者はキャサリン妃
小川 一毎日新聞 客員編集委員
メディアの中では、インスタグラムが急成長した時も、インスタグラムに投稿された写真をどう扱うかという議論がありました。インスタグラムの写真は加工されていることを前提にしなければならたいからです。それより以前では、事件関係者の顔写真としてプリクラの写真をどう扱うかという議論もありました。ただ、明確な答えが出たという記憶はありません。
写真がデジタルになってから、いわば加工は当たり前のことになり、その流れの中で「これが許されているなら、これもいいだろう」とどんどんリアルとの境界線が曖昧になり、今回の問題が起きたと思います。
アナログの時代も、私は暗室の中で印画紙を手で擦ったりして少しでもいい写真にしようと足掻いていました。今はそれが指先ひとつでできる時代です。これを機に、改めてデジタル映像についての議論が行われることを期待します。
自民党の裏金問題「なぜ脱税で罰せられないのか」 元国税調査官が明かす税務調査が入らないワケ
小川 一毎日新聞 客員編集委員
どんな組織もそうですが、官僚組織も面倒くさいことは避ける習性があります。旧統一教会問題を警察がなかなか手をつけなかったのも政治家が絡んでいて面倒くさくなる、という意識からだったと思います。この記事にある通り、国税当局の本音もそこにあると思われます。ただ、過去には国税当局も政治家に果敢に斬り込んだこともありました。一番有名なのは、ロッキード事件の田中元首相の起訴事実にある「5億円のわいろ」に対して行われた課税です。有罪、無罪が確定していない段階での「わいろ」課税は前例がありませんでしたが、国税当局は踏み切りました。もうひとつは金丸信・自民党副総裁の逮捕につながった脱税調査です。どちらも金権政治を批判する世論の力が追い風になりました。世論の力がなかったら、できなかった可能性が高いと私は考えます。その意味でも、世論は大切です。世論はひとりひとりの声と行動です。ひとりひとりの意識が問われます。
新しい犯罪者集団「トクリュウ」とは一体何者か「離合集散」を繰り返す反社会的集団の「正体」
小川 一毎日新聞 客員編集委員
暴対法後の反作用として半グレ、そしてトクリユウが登場するのは、いわば必然のことであり、警察は時代をキャッチアップして取り締まり体制を構築することが求められます。綾野剛さんが好演した映画「ヤクザと家族 The Family」では、暴対法で力を失っていく暴力団と新たな利権を獲得していく半グレの台頭が描かれています。身代わりの殺人の罪で逮捕されて服役し出所した綾野剛さん扮する主人公が、暴力団の凋落に呆然とする場面が印象的です。先輩から携帯を手渡され「このぐらい自分で買う」と反発すると、「いまヤクザは携帯を買うのも大変なんだ」と諭されます。また、暴力団と癒着した刑事を半グレの若者がスマホの中の癒着写真を見せ「ネットにばら撒こうか」と脅したりもします。
しかし、暴力団がしぶといのは特殊詐欺という新たな資金源を開拓し、半グレも傘下に組み込んだりもして延命を図っていることです。人間の歴史は常に首をもたげる「闇社会」との闘いです。スターウォーズの「暗黒界」との闘いは、その意味でも普遍の真理をついていると思います。
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