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佐藤二朗主演、ひきこもり非常勤講師の優しさに心打たれるドラマ「ひきこもり先生」(デイリー新潮)
今村 久美認定NPO法人カタリバ 代表理事
不登校をテーマにした「ひきこもり先生」というドラマ。来週は最終話だそうです。
相変わらず、テレビの学園ドラマは、教育委員会の描き方とか、生徒より自己評価を重んじる校長、それにペコペコして右ならえする教頭以下の教員など、「さすがにそんなばかりじゃないっしょ!」とつっこみたくなる『しょうもない権威側』的な過度な演出もみられますが、現代の学校で不登校に取り組もうとしている方々の努力や、SSWと教員の関係性、学習スタッフに入った人と教員の関係など、わかる〜な部分も多く、よく取材されているなと感じました。(三話までのところでいうと、不登校理由が保護者起因に寄りすぎかなとは思いつつ。)
不登校が小中学生で18万人を超える時代。それでも「不登校」の社会認知は、「不適応で、変わってる子だからしょうがないところもあるよね」とか「わがままを許していいのか」とか「親がダメなんでしょ」など、同じ困難さを生きる子ども支援のトピックでも、当事者以外の人には共感されないテーマだなと感じることも少なくありません。実際は、具体的なケースに出会えば出会うほど、100人いたら100通りの理由があることがわかります。生育環境・本人特性・学校の人間関係・先生のタイプや教育哲学・校則・カリキュラム・・・など、変数多すぎ、掛け合わせ無限大です。
実は私たちNPOカタリバにも不登校支援チームがあるのですが、会議のたびに、どうもセオリーや成功パターンを見出すのは困難で(もちろんいつか見出したいけど)、それよりも個々のケースにいかに丁寧に寄り添える体制と仕組みを作るか、良質なマンパワーをどう調達するかにシフトしていきます。
このドラマは不登校は特別な子供たちの現象ではなく、親が知らぬところで悩みを重ねる子どもが誰でもそうなるかもしれないと伝えています。また、その子が不登校になった背景にある様々な困難さも、もちろん五話で語れる範囲の一部のケースなだけではありますが、わかりやすく伝えてくれているように思います。
個人的には、支援者側のSSW・ステップルーム(別室登校部屋)の担任・非常勤で入ったスタッフ、そして親たちが、みんなで悩みを話し合いながら学んでいるところがとても共感しながらみていました。悩みぬきながらも目の前の子どもと向き合い、対話し、大人が変わっていく。まだ三話までしか見てませんが、次が楽しみです。
校庭で数学の授業に出てもいい? 岐阜の『バーバパパのがっこう』が示す、学校の新しい当たり前
今村 久美認定NPO法人カタリバ 代表理事
【草潤中学校が仕掛ける、5つの『新しい当たり前』】
1:授業を受ける場所は自分で選べる
2:担任の先生は、生徒が自分で選べる
3:学校なのに「学校っぽく」ない工夫
4:マストは減らしつつも、中学生としての学びは保証するカリキュラム
5:40人40通りの通知表(現在検討進行形)
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募集40人定員に対して、160名の申し込みがあったそうです。学校だから全員というわけにいかなくて、転入学40名、在籍校に在籍しながらのオンライン支援24人、在籍校に籍を置きながら週に一度草潤中で個別支援を受ける生徒22名、という状況で、前年度までほとんど学校に行けていない生徒を優先したそうです。
しかし、この4月と5月は出席率7割強。
本当は、不登校にならないと、こういう教育を受けられないとでもいうような「不登校」特例校、という制度自体が、違和感感じるが、今回はその議論は一旦横においておき、現行制度でできる最大限を実現し続けたいと、毎日開発が進むこの場所について、存分に書きました。
「学校にカネを積む人」を笑えない親たちの実態
「スクランブル」高校教科書に「3×8」 学び直しのニーズに対応
今村 久美認定NPO法人カタリバ 代表理事
共同通信の配信記事にコメントさせていただきました。想定通り、さっそく「高校生でこんな内容・・」と、驚いたという声も届きましたが、ゆとり教育を世間が極度に勘違いしてしまった悪夢のように、ここでも勘違いの解釈がひろがってはいけないと思いますので、補足します。
大前提として、日本の教科書は、学習指導要領が示す基準を教科書会社が解釈し、複数のバリエーションで(ベーシックなものと、中堅と、難関校向け、等)教科ごとに教科書を出します。同じ単元でも、それを国立大学の二次試験レベルで取り扱うのかか、ベーシックな理解を深める内容にするかは、教科書ごとに違います。これまでも高校は、教科担当の先生が、在籍している生徒たちの実情に合わせて、教科書を採択してきました。
先生の教え方は、1人1台端末でどう個別最適化できるか、伸びしろだらけなので、受け持った子どもたちの学年相応の習得に伴走する努力は、今後も先生方に求められます。しかし、学び方の転換点である2021年段階では、まだ小学生段階でつまずいたまま高校生になっているという生徒も少なくない現状です。
何歳になっても、自分のつまづきに気づいて、ずっと前に立ち戻ってから、だんだん次にすすむことは恥ずかしいことではないことは、言うまでもありません。
学力は、学校だけではなく、家庭が支出できる経済負担を前提にした、塾など学校外教育機会によって格差が広がっているとも言えます。自分の現在地を知ることはそれなりに難易度が高く、親や第三者など伴走者の関わりによって「わからない」ことに気づけますが、そういった教育資源がある家庭で生まれるかどうか、子ども自身には環境を選択できません。
「何がわからないのかもわからない」まま、学年だけすすんでしまった子たちが、高校生になって、もういちど丁寧に学びなおせることを、教科書でも保証できること。
あらためて、格差社会を前提にした教育資源として、必要な進化だと感じます。
大学入学共通テスト 英語の民間試験導入、実現困難な情勢に
今村 久美認定NPO法人カタリバ 代表理事
民間の試験を導入することで、受験機会に格差が出ると言われますが、もともと下記の格差があったことも前提に議論すべきと思います。
1、受験学力の獲得のために積み上がる、民間の塾の活用格差は小1、もしくは未就学児からはじまっていることを前提にする。
2、センター試験を受けて大学に行ける層の生徒は、これまでもそれなりの学力を有した人たちである。
3、センター試験学力をバランスよく獲得できていない生徒たちにとって、私立は大学生になるために大切なセーフティネットだけども、その受験回数はもうずっと前から格差が大きくあった。
4、センター試験会場から遠いところに住んでいる生徒はこれまでもいた。何日もかけて受験会場に向かうということ自体がこれまでもおきていたこと。
大前提のところで、年に一度の一発勝負で人生を左右してしまうセンター試験のあり方は、やはり変えていくべきだ。その日の体調や、心の具合によって左右されてしまうセンター試験の結果によって、人生が変わってしまうシステムは、合理的ではないと思う。
どんな環境に生きる生徒たちも、健全に目指したい大学を目指せる状況をつるくために、格差を本気で乗り越えるならば、英語の民間試験だけを矢面に立たせて批判するのではない対策が必要。
1、受験方法の徹底CBT化 2、どんな地域にでもある役場・役所か、公共施設をテストセンターにする(学校は公平性に欠く可能性がある) 3、受験料は所得に応じて何度でも補助する
18、19歳厳罰化、衆院を通過 逆送対象を拡大、少年法改正案
今村 久美認定NPO法人カタリバ 代表理事
この件について、「少年法厳罰化は抑止になるはずだ」と賛成している方のコメントがとても多いのですが、本当にその効果はあるといい切れるのでしょうか。
すでに実名報道が可能な成人による犯罪の再犯率が2019年度48・8%となり、過去最悪といわれています。再犯の理由は、当事者の声から聞く想像の範囲を超えませんが「自分が犯罪者だとまわりのひとが気づいてしまうかもしれない」という恐怖心や、自らラベリングしてしまうことで人との距離感をうまくとれず、自立して人生をやりなおしていく過程で、良きネットワークにアクセスする前に、痛みをわかってくれるけども、裏社会の安直な道に引きずり込まれる人もいます。
ネット上に起訴後の犯罪歴の実名が残るという消せないデジタルスタンプは、人生の再チャレンジにとって、とても大きなハンデになります。
保護され、少年院の愛情をかけてもらえることを知り、育て直しの教育の中で、変わっていけるひともいます。
誰からも受け入れ話を聞いてもらえなかった子が、愛情をかけてもらいながら倫理感を覚え、寄り添ってもらい、変わっていく。
そんな子どもたちがいるはずです。
早い段階で「犯罪者」という烙印をデジタル上に置かない施策を求めます。
教え子との私的SNS禁止 密室指導も、文科省通知へ
今村 久美認定NPO法人カタリバ 代表理事
SNSというコミュニケーションメディアが悪いのではなくて、公的に組織がログを確認できるSNSに移行すべきということと思います。これまで生徒と私的SNSを利用してきた教員の方々の中には、不純な動機でそうしていた人ばかりではなく、例えば学校に来なくなった不登校の子と個人的につながるところからなんとか外に誘い出そうと試行錯誤してきた人もいるし、家庭環境が大変なお子さんのアラートをなんとか拾うために福祉的な意味で工夫してきた人もいる。また学外の探究学習のサポートに使う人もいます。
しかしやはりPeer to Peerで密室になりやすい私的なSNSの距離感は、子ども側が違う意味での好意を持ってしまうこともあるし、少しの言い方で傷つけるリスクもある独特の難易度の高さもあります。
ギガスクール時代、学校組織がアカウントを発行し、ログをいつでも他の教員もみれる状態で、SNSの便利さを活用しながら、子どもや保護者と、教員の、コミュニケーションをアップデートしていくときに来ているんだとおもいます。
感染不安で「自主休校」7000人余 家族に基礎疾患など
今村 久美認定NPO法人カタリバ 代表理事
オンライン対応をしていない理由に「個人情報保護のため」とありますが、ご本人の希望ではなく、個人情報保護審議会のレギュレーションに合わないという理由が、これだけ時間がたっているのに続いているんだとしたら、その方々はアドルフ・アイヒマンのような仕事をしているんだと自覚した方がいいと思う。
100歩譲ってあの急な一斉休校中は、急な対応もできなかったんだろうけど、もう何ヶ月も経ってる。個人情報保護審議会は四ヶ月に一度。学びたいのに学べない子どもがいたとしたら、その子に対してなりふりかわまずサポートしようとおもうだろうけど、なぜなんだろう。何か私に見えていない大きな理由があるのかな。
本当に守らなければいけないものは何なのか。もう明日にでも取り組むべき。
地方から京都大学へ。その時まで、僕は「教育の地域間格差」の本当の根深さを知らなかったのだ
今村 久美認定NPO法人カタリバ 代表理事
教育の地域間格差、わかります。ただ、地方ということばも、大学ということばも、ひとくくりにはできないくらい幅があって、変数がとても多い言葉だということを前提にして読まないと、「ああやっぱり地方はこうなのね」とうけとってしまう方が増えてしまうのではないかと危惧します。例えば自分が地方出身だと語る人の中には、3000人の自治体の人も、10万人の自治体の人もいます。大学とはいえ、この方のように京都大学で出会った人と原風景とする人もいれば、都市部に来たとしてもキャリアに関する意識なんて一つも持たずにしょうがなくそこに入学した人が集まった大学もあります。
このストーリーは、題名に「僕は」としてあるものの、あくまでこの方のストーリーであり、一般化して捉えきらないことをおすすめします。
高校 新必修科目 精神疾患や防災教育など実践的な内容に
今村 久美認定NPO法人カタリバ 代表理事
学校で何を何時間使って教えるべきか、ということの基準をまとめられた「学習指導要領」は10年に一度改定されています。2020年から小学校、2021年から中学校の新課程がすでにはじまっていますが、来年2022年は高校の新カリキュラムがスタートします。例えばこれまでの歴史の学び方は、年号を暗記し、起きた事象を暗記する、だったかもしれませんが、この新課程における歴史科目の「世界史探究」「日本史探究」に期待したいのは、時代の転換点を動かした歴史のリーダーたちは、何を判断し、どんなリーダーシップで人を率いて、どんな結末を迎えたのか、例えばそういうドラマを理解する。そしてそれは、現代のこの社会の転換点において、実際に自分の判断軸の参考になりうる。教科の学びと自分の関係性が、そんな関係になること。期待をしています。
岐阜市に「不登校児専門公立中」開校。除幕式で会場を涙させた京大准教授のスピーチ
今村 久美認定NPO法人カタリバ 代表理事
この草潤中学校は、不登校特例校という政策に基づいて作られた学校です。通常の学校よりカリキュラムが柔軟でやらなきゃいけない「マスト事項」が限りなく弾力化できるため、逆にクリエイティブな学校運営ができたり、カリキュラムも運営できます。
草潤中学校は子どもたちが学び方を、1,家庭学習中心 2,週数日登校 3,毎日登校 の三パターンから選択できたり、定期テストを受けるか否かも各自選択。学習状況を基に個別に評価(高校受験にも対応)。制服や給食はなく、全校行事などもありません。
不登校特性校は、この事例含めて全国に17校。不登校児童生徒が18万人に達している中で、とても供給が足りていません。
不登校特例校に通えるのは、年間30日以上の欠席をした子、という定義を参考に、不登校傾向の子どもたちも対象になりますが、逆に、学校に傷ついて「不登校になった」という実績がある子どもにしか、入学の権利はありません。(実際の運用では、積極的不登校を受け入れるケースも今後は出てくるかもしれませんが。)
不登校特例校はどんどん増やしていきたいですが、本来、子どもたちの心が深く傷つく前に、多様な学校の選択肢の中から無償で、たくさんの個性あふれる選択肢から学校を選べる日本にしていきたいと願います。すべての学校が特例校、そんな未来をつくりたい。
文科省「#教師のバトン」プロジェクトに非難殺到
今村 久美認定NPO法人カタリバ 代表理事
「文科省、ぼーっとしてんじゃねえよ」とか、「もっと先にやることあるだろ」との批判は理解できます。しかし、noteを使ったり、ハッシュタグを使ったりと、いままでの文科省だったら使わないだろうツールを使ってトライをしているという事自体を称賛したい。「所属長の許可なく発言していい」とお墨付きを与えた広場に集まってきてしまったものは、想定とは違った。でもそれも現実です。見て見ぬ振りして、公式に集める文科省の調査研究では、ここまでのリアルな見えなかったことでしょう。この見えないものを見える化してしまったことで見えてきた悲痛な痛みを(中にはただの罵詈雑言もお見受けしますが)私達は、文科省は。どう受け止めるか。学びが深いです。
(社説)若者の力と社会課題 大震災後の潮流を育みたい
今村 久美認定NPO法人カタリバ 代表理事
NPO法人カタリバが応援している親子の声を掲載していただきました。このご家庭は、経済的な支援が必要な親子に対するプログラム「キッカケプログラム(オンラインソーシャルワーク+教育支援)」のユーザーで、小豆島にお住まいの方。地方の方から多く寄せられる声としては、「同じ地域にいる人だからこそ相談できない」「家族の事情を地域の人に悟られたくない」という声。本当は、なんらか困難さを背負った人たちこそ、地域に声をかけあえる人と関係性を築けた方がいいのですが、歴代の家族構成まで知られているほど、関係性がありすぎたり、持ち家で引っ越すこともできないからこそスティグマを恐れます。
この親子は、お母さんがお一人で子育てをされていますが、病気を抱え、お子さんの発達特性に寄り添う余裕がもてなかった。お子さんは学校にうまくなじめず、いつしか不登校気味になっていたそうです。この一年間、オンラインで親子に伴走をおこなっていく中で、このお子さんは本当に元気になりましたし、私達からするとむしろ伸ばすべき才能があるギフテッド傾向のお子さんだと感じています。オンラインでも、家族ではない誰かと定期的に会えること、楽しく話せることは、効果があると手応えを感じます。ただ、このお母さんはお子さんの状況に藁をもすがる思いで必死なので成り立ちますが、万能ではありません。ネグレクト家庭の場合は、リアルなアウトリーチからはじめないと難しいです。オンラインとリアルの効果的な関係性を検証し、出来るだけ多くの家庭に支援ができるように、行政とも連携していくことも目指しています。
プログラムについて詳しくはこちら→ https://manatsuna.net/
今、4月6日まで新規の募集をしているのですが、すでに悲痛な声とともに枠に対して五倍以上の申込みをいただいています。
PCとWIFIを貸与するだけではなく、全国からオンラインで参画するペアレントメンターとキッズメンターを、丁寧に育成しながら親子の伴走支援を行うため、まだまだキャパが足りず、安全に支援するオペレーション力とリソースが足りないのが現状で、あくせく開発をがんばっていますが・・お断りするのは本当に心苦しく、なんとかせねばと思うばかりです。
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