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水素がコーヒー2050問題の救世主になるか UCC開発「CO2ゼロ焙煎機」の実力
松沢 優希日本IBM サステナビリティ担当 シニア・マネージング・コンサルタント
気候変動で収量の減少が見込まれる生産物(コーヒー豆やカカオなど)への対応として代表的な企業がとっている方策は、生産性向上のためのアプローチ(品種改良や肥料等の調整)や他地域の農地選定などが主流です。
焙煎段階におけるエネルギー量は、コーヒー豆の水分量によっても変わります。アラビカ種よりもロブスタ種の方が水分量が多くその点では不利です。
一方でアラビカ種のほうが栽培しにくく病気に弱く農薬使用量が多いとされ、必要水分量も多い傾向があるので、栽培の面では環境負荷が多いといえそうです。環境性能のみで品種を変更するのは困難ですが、できるだけライフサイクルでの温室効果ガス排出量が少ない豆を使用するというアプローチもあります。
このように色々な方法がありますが、今回のように焙煎時の温室効果ガス削減に向けてエネルギー効率を良くしたり、代替エネルギーを使っていくことも必要なことだと思います。
水素だと焙煎時間や温度の調整をより緻密に行うことができ、「水素焙煎ならではの味」を生み出せる可能性があるとのこと。通が唸るような美味しさを引き出せることに期待しつつ、それだけで飛ぶように売れるようにはなりにくいと思われるため、まずは価格競争力維持のため、コスト低減が大きな課題となりそうです。
【遺言】有名ベンチャー破綻。グリーンビジネスの「過酷な現実」
松沢 優希日本IBM サステナビリティ担当 シニア・マネージング・コンサルタント
異物がなく異素材がない状態の均一な性質の廃製品が大量に揃い、好条件の買取が保証される場合には、高度なリサイクルでも採算が合うかもしれません。
しかし、そのような条件が揃うことは少なく、ましてや様々な異素材が糸レベルで絡み合い、異物も当たり前のようについており、同じ商品が一度に回収されることが少ないという特性をもつ衣服を素材リサイクルするとなると、安定的な品質を担保しつつ赤字にならないように操業すること自体が難しく、株主や債権者の期待利回り以上の成果を出すことは、なおさら大変だと思います。
イノベーションで解決できればいいのですが、通常のビジネスの時間軸で経営していると、そのような技術開発に行き着く前に体力が尽きてしまいます。
このような意味では、別の収益性のある基盤事業を維持しつつ、投資にまわせる範囲の資金から技術開発を行っていける企業は、グリーンビジネスと親和性が高いようにも感じます。スタートアップの場合は、長い目で見てくれるパートナーが必要。いずれにせよ、注目の技術をもつ企業であっただけに残念ですね。
【核心】ユニクロは「リサイクル」でも稼ぐ
松沢 優希日本IBM サステナビリティ担当 シニア・マネージング・コンサルタント
ユニクロは、リサイクルを取り組むにあたって非常に重要な「規模」を有し、素材を熟知し自らも資源循環事業を手掛ける東レとの長期にわたる業務提携、リサイクルの障壁となる異物が少ないシンプルなデザイン、情報製造小売業としての取り組み(製造からリサイクルまでの情報を活用することは今後の回収やリサイクル手法開発にとって重要)などからも、実はリサイクルを持続可能に成功させる要素を一番多く持っているのではないかと考えています。
それでも課題は多く見受けられ、チャレンジングな取り組みだということがよくわかります。
最後に示されている、「ペットボトルのように家庭のゴミ回収の時に分別する」というのは、燃えるごみなどと比較して頻度が落ちることは多いものの、実は多くの自治体で実施されています。
しかし、回収後は海外への輸出されたり工業用ウエスに加工されることが多く、アパレル製造業者・小売業者の手に戻ってくるわけではありません。
リサイクルの質や国内での資源有効利用の観点から、製造業者・小売業者に循環の輪を戻し、それでいて経済性も担保できる仕組みを目指すことは有意義だと思います。
東レ、電池からリチウム8割回収・再利用 ナノ技術応用 - 日本経済新聞
松沢 優希日本IBM サステナビリティ担当 シニア・マネージング・コンサルタント
従来は中性領域にしか適用できなかったNF膜細孔構造を改善し、イオン選択分離性を高めたとのこと。予測される物量に対して循環に向けたソリューションが追いついていないリチウムイオン電池リサイクルへの適用が楽しみですね。
膜を利用したリサイクル設備は従来の処理よりも、高温に温度を上げる必要がなかったり、比較的小規模でも運転可能だったりするのではないかと想像します。
リチウムイオン電池はその危険性から移動させるにも丁重に扱う必要があり、重量もあることから、運搬コストが高いこともひとつの課題となっていました。
本技術がより小規模に、分散的に、リサイクル技術を導入しやすくするものであることにも、期待したいです。
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