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【続報】線虫検査は有効か。全国のPET施設を対象に調査開始
押川 勝太郎宮崎善仁会病院 腫瘍内科医YouTuber
線虫検査のずさんさは以前の記事でも分かりますが、実際の被験者のデータを集積検証しようとしない会社の姿勢が、おかしいと思っていました。
一方で、PET検査で異常ないからがんはないと判断する医師もいて(自費のPETCT検診含む)、後になって進行食道がんや胃がんが見つかるケースは結構あります。例えば胸水がたまっていて、PET検査しても異常がないからと、開業医から大学病院へ紹介となったある患者さんでは、「あれ?この人、胃カメラやってないね」と、検査するとステージIVの胃がんだったというケースがあります。
進行胃がんの4割はPET陰性なのです。
スキルス胃がんも腫瘍細胞成分少ないこと(スキルスは線維成分が多い)、腫瘍が横方向に広がり、腫瘤を形成しにくいことから、FGDが集積しにくくPET検査は苦手としています。
そういった意味では今回の第三者からの検証は重要ですが、取扱も注意が必要です。
嘘をつく「動機がない」。疑惑の渦中で広津社長が語ったこと
押川 勝太郎宮崎善仁会病院 腫瘍内科医YouTuber
広津氏の言い分は、どうやって言い逃れるかを研究し尽くしたような内容と感じる。研究と企業の事情をどう言おうと、顧客のがん早期発見したかった人、さらにはがんではないと思いたかった人達が納得できるようなものではない。
一番重要なデータの再現性があやふやなまま、さらにデータ集積と追跡、検証に対して消極的な姿勢自体が科学者としての資質を疑問を抱かせる。
がん医療のどんな領域の技術も最初から万全なものは皆無で、データ追跡による再解釈、修正を繰り返して精度と信頼性を上げている。
線虫検査の結果は実際どうだったかという今後のフィードバックの計画は何も用意されていない段階で、今後期待できる材料が何もないと言うことが判明したと感じました。
【実録】社員が止められなかった「疑惑のがん検査」
押川 勝太郎宮崎善仁会病院 腫瘍内科医YouTuber
本記事ではブラインド検査を創業者が嫌がっていると書いていた。
新規薬剤の認可でも、薬剤効果を確認する二重盲検試験(ダブルブラインドテスト)では、よほど毒性の強い薬剤でない限り、投与される人間も投与する人間も、本物の薬と偽薬が判別出来ない状態で投与される臨床試験が組まれることが多い。
投与する人間の態度で、投与される側も本物か偽薬か分かってしまうため、効果の差が出るからです(プラセボ効果)。
実際偽薬に勝てない新規薬剤はごまんとあります。それほどプラセボ効果は強力です。
それと同じ構図で、がん患者の尿かどうかが事前に分かってしまうと、操作者の印象、解釈が偏ってしまうのは当然でしょう。
むしろ創業者はそれを分かっていて、うまく利用してきたかのように感じますね。
ちなみに当方の運営しているYouTubeがん防災チャンネルでは、第1回記事の動画解説「線虫検査の本当のがん診断率が暴露された!【専門医解説】医事問題シリーズ」を公開しています。
ここではなぜ会社公表の感度特異度が実地診療と乖離しているか、腫瘍マーカーでの類似事例を挙げて解説しました。
【ゼロから学ぶ】がん治療の最先端はどこまできたのか?
押川 勝太郎宮崎善仁会病院 腫瘍内科医YouTuber
1. 実は分子標的薬も免疫チェックポイント阻害薬も広義の「抗がん剤」
昔は世界中からあらゆる物質を集めて抗腫瘍作用+安全性確認→がん患者の生存期間延長を確認する作業の連続でしたが、実際に保険認可される確率は3万分の1というぐらいの効率の悪さでした。
そこで各種がん細胞の増殖シグナルを発するルートを特定して、それにあわせて化合物や抗体を合成する手法で作られたのが「分子標的薬」です。つまり従来の抗がん剤を古典的抗がん剤とすると、スクリーニング方法が違うところに意味があるわけです。
免疫チェックポイント阻害薬もそういう意味では「分子標的薬」です。しかし実際の製品ボトルには「抗悪性腫瘍薬」と記載されています。
結局全部広義の「抗がん剤」なのです。
2. 非小細胞肺がんのように日本人の場合半分ぐらいが個別の分子標的薬が見つかるバイオマーカーがあるがん種もあれば、膵がんのようにほとんど見つからない(数%)こともあります。がん患者全体では今トレンドの分子標的薬の恩恵を得られない患者さんがまだまだ相当数いるので、同じがん種でも格差を感じてがっかりする人も少なくありません。
3. 古典的抗がん剤はまだまだずっと大きな役割を果たしていく勢いで、むしろ分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬との併用がさらに生存期間延長を図れることがわかってきています。
4. 免疫力を上げたら良いと思いがちですが、アトピーも花粉症も免疫力が暴走しておこるものです。世界の医薬品売上トップは免疫力を下げる抗リウマチ薬の「ヒュミラ」です。適正な免疫力を保つことが重要ですね。
2019年 世界で最も売れた医薬品は
https://answers.ten-navi.com/pharmanews/18493/
5. 光免疫療法は局所療法としての効果は確かだと思いますが、マスコミが遠隔転移にも効果あると過剰に宣伝しておかしくなりました。実は遠隔転移がん患者へは臨床試験も始まってません(免疫チェックポイント阻害薬との併用試験はあります)
過大な期待を持っているがん患者さん達をがっかりさせる問題点を当方の動画で解説しました。国内治験担当医の田原信先生の患者さんとの質疑応答が大変興味深いです。
光免疫療法大いなる期待とギャップ・質問回答#34
https://youtu.be/SKrmRceUkH0
NORMAL
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