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お小遣い3年ぶり減少…夫3万3039円、妻2万2298円 家計調査で物価高実感は9割超 貯蓄平均1303万円
荒川 和久独身研究家/コラムニスト
お小遣い制の是非はともかく、元の明治生命の調査レポート詳細を確認すると、夫婦それぞれが自由に使えるお金が2007年と比べて夫8千円、妻9千円程度減っています。それもそのはずで、この期間、額面給料はあがっても社会保険料などの値上げで国民負担率があがっていますので、その分お小遣いを節約せざるを得ないのでしょう。しかし、消費が増えなければ景気はよくなりません。
同じレポートの中に世帯収入の増減についても聞いていますが、20-30代の子育て世代について言えば、増えたのは約3割、減ったのも約25%程度。3割とは大企業就業者の割合とほぼ一緒です。都市在住の大企業勤務夫婦と地方の中小企業勤務夫婦との格差が広がっているとも見えます。
データを元にすれば昨今「結婚も出産も贅沢な消費となった」のですが、だからこそ「ない袖はふれない少子化」になりつつあります。賃上げよりも手取りの増加が何より必要だと思います。
夫婦ともに年収700万円以上の「パワーカップル」がこの10年で倍増。「若い世代ほど増えやすい」
荒川 和久独身研究家/コラムニスト
「若い世代ほどパワーカップルが増えやすい環境となっている」などと悠長なことを言っているが、30代で個人年収700万に達する独身がどれだけいるのかご存じなのか?東京の大企業でブイブイいわしている人だけが生きているわけではない。パワーカップルが生まれるのは別に構わないが、むしろ互いに高年収の男女しか「結婚も出産もできなくなっている」ことが今の少子化の問題である。
元のニッセイのレポートでは「若い世代ほど仕事と家庭のどちらかを選ぶのではなく、仕事も、結婚も、子どもを持つことも望む女性は増えている」と書いているが、その欲求が満たされるのはごく一部でしかなく、それが叶わないのであれば「別に結婚しなくてもいいや」となるのが今の中間層の婚姻減の原因にもなっている。
パワーカップルとプアーカップルの世帯年収格差はどんどん拡大し、それはやがてパワーチルドレンとプアーチルドレンの格差になる。
夫婦の構成比としてパワーカップル比率が高まっているというのは、裏返せば婚姻絶対数が激減の中で高年収カップルしか結婚できていないということ、中間層が結婚できていないことを意味する。パワーカップルが増えてます~♪とかいう浮かれた話ではない。
744自治体、消滅可能性 4割超、30年間で女性半減
荒川 和久独身研究家/コラムニスト
現実的な話をすれば、そもそも国全体の絶対人口が今後毎年80万人以上も50年間減り続けるわけで、今ある自治体数を維持していくこと自体が不可能。全体の人口が減るのだから、自治体間の人の取りあいをしたところで所詮は目先の話でしかない。これは、目先の選挙のことしか考えない政治家ばかりが増えているという話でもある。
また、地方において若者が都会へ流出するのは、地方に魅力的な仕事がないためであり、残ってもそこで生活できないからである。生活ができないのであればそこで結婚も子育てもできない。だからといって若者を地方に縛り付けようとするのも本末転倒である。結局、地方においてはかつての元既婚者が死別によって一人暮らしに戻るという高齢ソロだらけの自治体になっていくだろう。
「消滅しないようになんとかする」ではなく「消滅する前提で50年先を見越した再編成をする」方向に舵を切るべきだと思われる。
「おひとりさま」の男性はなぜ早死にしやすいのか?科学が明らかにする「孤独」「孤立」の死亡リスク
荒川 和久独身研究家/コラムニスト
「孤独は悪」論者が根本的に見落としている点は、「孤独を感じることと孤独を苦しいと感じることとは別」である点で、私の調査によれば、孤独を感じる割合は4割程度いるが、孤独が苦痛であると感じる割合は1割程度である。もちろん後者の「孤独が苦しい」人には相応の対応が必要だが「孤独を感じる」ことそれ自体は実は問題ではない。
孤独を絶対悪にしようとするから、孤独にならないために「結婚しなさい・友達を作りなさい」という的外れな処方が出てくるのだが、結婚しても友達がいても孤独に苦しむ場合はある。若者の間ではいつも友達に囲まれていても孤独感に苛まれる「つながり孤独」という現象もある。
孤独とは空気のようなもので、望むと望まないとにかかわらず孤独は人の周りに必ずある。そして孤独なひとときが必要な場合もある。孤独を否定するのではなく孤独と上手に付き合っていくという視点が大切ではないだろうか。
「子持ち様」と呼ばれる子育て社員。対立招く企業の構造に問題は
荒川 和久独身研究家/コラムニスト
国の少子化対策にも同様のことが言えるのですが、子育て支援をするのであれば、子育てする人だけを優遇して終わりではなく、子育てをする人をサポートする側の立場の人間に対する配慮やそれに報いる何かを用意することが同時に必要になります。でないと、周りでサポートする人の不満がモヤモヤがつのるばかりで、それは結局子育てをする人との分断を招き、双方を不幸にしてしまいます。
その意味で、三井住友海上火災保険の「育児休業を取得した社員の同僚全員に最大10万円の一時金を支給」という取り組みは周りを「育休取ってくれてありがとう」という支援する側の気持ちを考えている点でも素晴らしいと思います。が、金銭的にも人手的にも余裕のない中小企業でもできるかといえばそうもいきません。そうした企業向けの対策も必要でしょう。
育休促進という政策を掲げるならば、大事なのはむしろそれを支える側の気持ち作りだと思います。それを気合とか思いやりとか精神論だけでやろうとしたって無理だから。会社の仕事の一環なんだから給料で報いる方が妥当。
NORMAL
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