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「日本人の給料はなぜ30年間上がっていないのか」すべての責任は日本銀行にある
PRESIDENT Online:プレジデント社の総合情報サイト
辛坊 正記経済評論家
戦後の高度経済成長時から1989年まで順調に拡大を続けた日本経済ですが、1990年に急にブレーキが効き始め、リーマンショックによる落ち込みとアベノミクスによる拡大といった動きはあるものの、1995年代以降ほぼ横這いで停滞しています。この間、日本のGDPがほぼ横這いであるのに対し、欧米諸国は2~4倍、韓国は10倍、中国は54倍に成長しています。世界第4位だった一人当たりGDPも昨年は23位ですから、日本の賃金が相対的に下がるのも当然です。当時の日銀の急激なバブル潰しが企業と国民の委縮の背景にある点で、金融政策に責任があるのは事実でしょう。資金の量を調整して物価をコントロールするのが中央銀行の基本的な使命で、フィリップス曲線に集約されるインフレ率と雇用の関係が生きている限り物価と賃金は相関しますから、中央銀行が雇用に目配りすべきというのも納得です。 とはいえお金の必要量は経済活動の規模に応じて決まるもの。日本が成長している間は資金需要が増えてお金の量が増えるのは当然で、日本が成長力を失えば出回るお金の量が増えなくなるのもまた当然です。モノとサービスの取引量を超えて莫大なお金を供給し続ければインフレ期待が高まりインフレが起きて円安になり、ドルで商売する大企業を中心に利益が増えて株高が起き、富裕層がお金を使って一時的に景気が良くなることは確かです。しかし、2回の黒田バズーカのカンフル効果が一巡したあと景気は一旦落ち込んで、アベノミクス後半の好景気を演出したのは海外経済の好調でした。 円建ての賃金が殆ど増えぬ中、円が3割以上安くなったということは、金融政策が日本の賃金を世界の中で3割以上安くしたとも言えそうです。そしてまた、資金需要がない中でマネタリーベースを増やしても、日銀へのブタ積み(過剰な準備預金)が増えるばかりで実体経済にさして影響を及ぼさないことも異次元緩和の行き詰まりで明らかになったように感じます。 「賃金上昇率は本来、「インフレ率+生産性向上分」が望ましく、生産性が低い仕事より、高い仕事のほうが、賃金の上昇率も確保できて当然だ」というのは正にその通りだと思いますけれど、生産性の向上はビジネス環境の改善と企業ならびに働く人の努力でなされるもので、無理にマネタリーベースを増やしてインフレを起こすことで達成できるものではないように私には思えてしまうんです f^^;
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最低賃金引き上げへ政府が支援策。その場しのぎにならないために必要な視点
ニュースイッチ
辛坊 正記経済評論家
「雇用調整助成金(雇調金)の助成率10分の9以上を年末まで維持」、「業務改善助成金について、8月から賃金引き上げ対象人数を最大10人以上のメニューを増設」 (@@。 新型コロナウイルスが猛威を振るった直後、米国では失業率が4%弱から15%に一気に上がり、仕事の無い企業から仕事のある企業への人材移動を伴いながら次第に下がって行きました。この間、米国の賃金は上昇しています。 雇用調整助成金で企業を支え解雇を防ぐ日本では失業率は殆ど上がらず、社内失業状態の休業者が2百万人から6百万人に一気に増えました。6百万人といえば失業率にして10%近くに及びます。その後、企業は残業を減らしボーナスを減らし仕事を分け合う形で休業者を減らしましたが、当然ながらこの間、賃金は下がっています。補助金を得て余剰な労働力を出向させることも出来ますが、これとても、覚悟を決めて仕事と賃金原資のある企業に移るのと、生産性の面で大きな違いがある筈です。 雇用調整助成金は、コロナ禍の中でさえ人手不足感の強い我が国で、生産性が低く仕事が無い企業の従業員の賃金を、雇用保険料と税金を介して生産性の高い企業が肩代わりする制度です。一見安心・安全に見えますが、中長期的に見て生産性と賃金の両面で米国に差をつけられるのは避けがたいように感じます。 賃金は企業が生産性を上げてこそ増えるもので、賃金を上げたら生産性が上がるものではありません。最低賃金の引き上げで生産性が上がるとすれば、最低賃金に耐えられない企業が従業員を手放して生産性の高い企業に人材が移るから。しかしそれでは生産性の低い企業に嫌われます。雇用調整助成金と業務改善助成金で賃金を補填したら嫌われずに済みますが、生産性の高い企業の負担で生産性の低い企業の従業員を守る雇用調整助成金等の悪い面が如実に残ります。 最低賃金の引き上げは財政負担なく国民に“いい思い”をさせられるので諸国の政府に好まれますが、最低賃金の引き上げに伴う人件費コストを雇用調整助成金や税金で賄うくらいなら、引き上げない方が我が国の生産性の向上と中長期的な賃金の上昇に貢献するように感じます。 (・・;ウーン
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ワクチンのみで抑止困難と行革相 デルタ株拡大、対策徹底を
共同通信
辛坊 正記経済評論家
「マスクや手洗いなどの基本的な感染対策」といったことは勿論やれば良いですが、デルタ株に対してもワクチンが効果を発揮することが明らかで、3度目のブースター接種や強制接種の検討が諸外国で始まるなか、ワクチン接種率が不十分な今のタイミングでの「ワクチンだけでどうにかするのは、なかなか厳しい」といった発言は、ワクチンへの信頼感を減じ、接種の推進にマイナスに働きそう。「ぜひ若い人にも打っていただきたい」というのもその通りですが、これにしても何となく他人任せに感じます。接種が必要な根拠を示して「打つべき」とのメッセージを明確に発されるべきでしょう。 50万人、10万人といった単位で超過死亡を出した欧米諸国と比べ逆に2万人も死者が減る程度で済んだにも拘わらず、昨年のGDP、つまり政府と国民が分けて使える所得が自粛、自粛で欧米並みに落ち込んで、ワクチン接種の遅れで回復は欧米諸国に大幅に劣後するとIMF等に見られているのが我が国です。ワクチン接種の推進こそが唯一無二の解決手段と信じて接種率を上げて行くことが、現段階で最善の施策であるように感じます。 先般の「ワクチンを追加で輸入することはしない」との趣旨のご発言もそうですが、ワクチン接種を何が何でも進めるという決意が緩んでいるように何となく感じて不安です。あるいは、ご発言の一部を切り取ってそのようなトーンに仕立てたものなのか・・・ (・・;
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政府借り入れに金融機関が殺到 応札倍率40倍近くに
日本経済新聞
感染者の4分の3がワクチン接種者、米当局が分析結果
日本経済新聞
辛坊 正記経済評論家
「感染者の4分の3がワクチン接種者だった」と聞くとワクチンが効かないような印象を受けますが、仮に対象地域のワクチン接種率が100%なら、接種済み者の感染率が如何に低くとも感染者の100%がワクチン接種済みになるはずで、ワクチン接種がどの程度感染を防ぐかをこの記事から読み取ることは殆ど不可能であるように感じます(・・;ウーン ワクチンは重症化と死亡を抑えることが主眼ゆえ、接種を終えたあとに一定の“ブレークスルー感染”が出ることはつとに言われていましたし、デルタ株(=インド株)の感染力が強いことも事実でしょう。とはいえデルタ株の感染が確認された人のうちワクチン未接種者が55%に達するのに対し、2回接種した人は13%との報告がデルタ株への効果が低めとされるアストラゼネカ社製が主体の英国で出ているそうなので、ワクチン接種がデルタ株にも効果があることは間違いないように思います。また、米疾病対策センター(CDC)はブレークスルー感染による入院は1億6100万人のうち5601人、つまり28744人に1人の0.0034%に過ぎないといったデータも出しているようです。 状況を正確に知るためには「感染者の4分の3がワクチン接種者だった」ということだけでなく、対象となった母集団でワクチン接種済みの人が何パーセントいて、感染しなかった人のうち何パーセントがワクチンを打っていたか(あるいは打っていなかったか)という数字も必要です。 それを伝えず「感染者の4分の3がワクチン接種者だった」というだけでは、結果の当否はともかく、ワクチンの無力感を必要以上に強調する印象操作と言われても仕方ないように思いますけれど・・・ どうなんでしょう (・・?
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4府県“宣言”追加 5道府県“まん延防止”適用を決定 政府
NHKニュース
辛坊 正記経済評論家
前回の急増局面で過去1週間移動平均(以下同じ)の陽性者がピークを迎えたのは1月11日の1861人で、一日当たり死者数は7.9人でした。それから4週間ほど遅れて迎えた死者のピークは2月8日の20.1人です。 今回は7月30日に新規陽性者数が2501人、死者数が1.9人に達し増加中ではありますが、ワクチン接種が進んだ結果、過去の感染拡大時とは明らかに様相が異なります。陽性者と死者に対するワクチン既接種者と未接種者の割合を見れば、その違いは歴然としているに違いありません。 大阪府についても過去の最大は5月2日の1134人、当日の死者数は21.7人、遅れて迎えた死者のピークは5月13日の37.6人です。それに対し、7月30日時点のそれは新規陽性者が640人、死者に至っては0.7人に過ぎませんから、これまたワクチンが行き渡っていなかった頃とは明らかに様相が異なります。ワクチン接種を終えた人と未接種者の間には、これまた大きな違いがあるでしょう。 新規陽性者数の急増にも拘わらず死者が増えないことを根拠に活動を再開して新型コロナウイルスと共生する方向に舵を切り、いまのところ思惑が当たった英国と同様のことをすべきとは言わないけれど、緊急事態宣言を発して雇用吸収力の大きい飲食、宿泊、娯楽など生活関連サービスを過去同様に漫然と痛めつけ続けいる限り、欧米諸国と比べれば無きに等しい人口当たりの感染者数で医療体制が逼迫する問題に真剣な目は向かず、ワクチン接種の効果を斟酌して日本経済を衰退から救うといった発想も湧いて来ないに違いない。 IMFが主要国の経済成長率見通しを軒並み引き上げる中、緊急事態宣言を連発して活動を止め続ける我が国は、それでなくとも見劣りする成長率見通しを更に引き下げられました。これは、日本国民が未来に向けて相対的に貧しくなることを意味します。 とても無理と思われた速度で接種を進める体制が菅総理以下の努力で折角出来たのです。ワクチンの接種と陰性証明を組み合わせて可能な人から活動を再開すれば、接種へのインセンティブにもなるでしょう。経済と感染抑止の両面に目配りされたコロナ禍当初の姿勢やワクチンへの拘りを見て政権に期待するところが大きかっただけに、ちょっぴり寂しいものを感じないでもない昨今です f^^;
300Picks
東京オリパラの経済効果は? 「アスリートを称えるセール」を試算
ITmedia ビジネスオンライン
辛坊 正記経済評論家
国民が日本国内で働いで生み出したモノとサービスの価値であるGDPが、きっかけとなる消費の増加でどれだけ増えるかは、影響の範囲をどのように捉えるかで変わります。たとえば、「アスリートを称えるセール」で売れるのが日本で生まれたモノとサービスなら日本のGDPが大きく増えますが、海外で作られたブランド品を日本に持ち込んで売るだけなら、海外のGDPを増やすばかりで日本のGDPを増やす効果は限られます。一律給付など政府が行った巨額の財政支出の多くが日本では貯蓄に回っていますので、セールでそれが単純に吐き出されるなら効果は大きいですが、セールで使った分だけ他の消費を節約するなら、これまた効果は限られます。「約1436億3173万円」は、そうしたことを全て勘案した後の効果でしょう、たぶん。 失われるチケット代約900億円も、それが我が国の生み出すモノとサービスに与える影響は900億円という表面の金額とは別物なので、セールの効果と単純に比較することはできません。理論経済学の名誉教授でいらっしゃるのでそんなことは先刻ご承知で「無観客により失われると言われるチケット代約900億円をはるかに超える経済効果がもたらされることが期待できる」と仰っているのでしょう。 計算の前提が分からないと何とも評価できないわけですが、諸外国の成長率見通しを引き上げたIMFが緊急事態宣言を繰り返す日本だけ見通しを引き下げる重苦しい雰囲気のなか、折角開いたオリンピックに明るい夢を描きたい。年間20兆円以上も落ち込んだGDPと比べると焼け石に水の金額ですが、経済効果を素直に信じてオリンピックをより一層楽しみます。 (^^;
26Picks
6月の有効求人倍率、1.13倍 失業率は改善2.9%
共同通信
辛坊 正記経済評論家
5月と比べ6月は就業者、なかでも雇用者(雇われている人)が増えて失業者が減り、失業率が僅かながら改善しています。有効求人数は横這いながら有効求職者が減り、新規求職者に対する新規求人の倍率は1.95倍から2.22倍に上がっていますから、働く意欲と能力のある人にとって雇用市場はちょっぴり改善した形です。 全体としてみればコロナ禍の中でも我が国の人出不足感はまだ強いのですが、その一方、雇用保険料と税金で賃金を肩代わりしてもらって社内失業状態になっている人達が2百万人規模でいて、コロナ禍勃発直後に駆け上がった6百万人規模と比べれば正常化していますが、まだまだ高止まりしている感が否めません。完全失業状態にある人たちが20万人程度であることと比べると、隠れた失業がどれほど大きいかが分かります。雇用保険金の財源が枯渇して雇用保険料を引き上げる方針であることが最近ニュースになりましたが、特例的に上乗せされている補助金が削減されるなどすれば、雇用市場の様相が大きく変わることもあり得ます。 月々の有効求人倍率、新規求人倍率、失業率といった表面に出て来る数字は景気の動向を見る上で重要ですが、日本の雇用市場の現況を知るには補助金等で歪められた実質的な失業者数を追いかけることも重要であるように感じます。そちらの方はどのような動きになっているものか・・・ (・・;
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気候変動オペ、中銀使命に留意し対象範囲の慎重な選定が重要=日銀会合主な意見
Reuters
辛坊 正記経済評論家
伝統的な金融緩和の余地が無くなり非伝統的金融緩和を長く続けてそれにも限界が見える欧州中央銀行は、ラガルド総裁を中心に新たな仕事として環境分野に乗り出すことに熱心です。しかし、資金の流れに介入して経済に影響を及ぼす金融政策には中立性が求められ、個々の事業体や特定の産業分野に直接的に介入したら、市場を歪める懸念が拭えません。不確実性のなかで個々の企業や産業に影響を及ぼしつつ世の中を変えるのは、選挙を経て国民の負託を受けた政府の役割で、通貨発行権を預かって物価と景気をマクロ的にコントロールする中央銀行の役割を超えています。たとえば原子力発電は、フランスが電力の7割以上を賄い、環境に優しいエネルギーとされていますが、我が国では国民の意見が割れる政治的な問題です。国民の政治的な負託を受けない日本銀行がそうしたことを軽々に判断して良いとは思えません。だから金融制裁策の余地を今なお相対的に多く持つ米国の中央銀行(FRB)は、金融政策で気候変動問題に対処することに慎重です。 ECBと同じく従来の金融政策の余地が乏しくなって、こうした領域に仕事を求め始めた日銀ですが、個別の企業と産業に直接的な影響を与えることに躊躇があったのか「具体的な判断は金融機関に委ねる」ことにするようですね。しかし、個々の金融機関といえども気候変動の影響を具に判断することなど出来る筈がありません。ECBとFRBの中間を行くように見える日銀ですが、深入りすべきであるようには思えません (-.-)
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