【緊急解説】いま「超円安」が止まらない理由
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本当にコレだよなという内容。
良くまとめてくれて感謝です。
X上などで目にする緩和派は、経済認識を残念なほど見誤っています。
国債を刷ってバラまいても、その分コストプッシュインフレが起き、バラまいて増えた分の金の価値が下がる。バラまくために刷った国債の償還も必要になる。しかも、バラまいた金は国民の可処分所得が少なすぎるせいで殆ど貯蓄に回り、市場を潤すことには繋がらない。
たとえ金利0.1%でも、国規模で見れば利払いは莫大な額になります。
この状況を出来るだけ痛みを少なくして打破する方法は限られています。
国債償還のための税収を維持しつつ、国民の可処分所得も増やし、同時に政府支出を減らすには、過剰な社会保障にメスを入れるしかありません。
国が保有するドル資産を債務残高の解消のために全振りしても、基本的な体質が変わらない限り同じ轍を踏むでしょう。そして、その時にはいよいよ為替介入も出来ず、インフレが進むのを指をくわえて見ているだけになってしまいます。
国のドル資産は、例えば最悪売って円に換えたとしても基本的に国内投資に使うべき資産であって、為替介入や債務消化に泡銭のように使っていいものではありません。
記事の内容が円安のデメリットに偏っているといっても、むしろ今までの日本が「円安信仰に偏りすぎていた」のではないでしょうか。
本来、適性レートは高くても120円台/ドルくらい。進みすぎた円安だから警鐘をならすわけで、2011年からの円高も進みすぎたから警鐘を鳴らしていたに過ぎません。
日本の過去の為替変動はアメリカとの金利差に起因するものであり、それは今後も変わらないでしょう。
逆に言えば、自国では為替レートに関して「本質的な影響力を持てない」ということです。それだけ弱い通貨だということ。
輸出企業も、輸出で得た外貨を日本円に替えることは現状ではデメリットしかないので、国内経済を牽引するには力不足です。輸送コストも逼迫しており、円安が輸出にプラスになるとは言えなくなるのも時間の問題です。
利益のため、工場などの国内資産の海外移転も進み、現地生産現地雇用も進むでしょう。それを如実に示すのが、対外純資産残高の過去最大の増大です。
得た利益の一部は現地コストと相殺されて、日本に貫流する利益は極わずか。対外純資産が世界一だから問題ないなどとは到底言えるような状況ではありません。
注目のコメント
ーーアメリカや日本など、国ごとに決まっている金利(政策金利)は、その国の経済力の力強さを表すということ。例えばアメリカはコロナ後、好景気が続いています。GAFAなどの企業は成長を続け、消費や投資も旺盛です。そのため、金利は5.5%ですーー
ここはミスリーディングでしょう。ではアルゼンチンはどうか、ブラジルは、スペインは。GAFAはコロナ中も前も、不景気でも関係なく強かった。そもそもアメリカも2008リーマン以降コロナ前の数年を除きずっと実質的ゼロ金利政策を採ってきた。その間アメリカの経済力が弱かったか。
金利も物価も為替も、高過ぎても低過ぎても、何より急過ぎるのが良くない、という類の指標です。中身について取材協力させて頂いております。どこよりもしっかりまとまってると感じました。
普段考えていることはコラム多数出させて頂いておりますのでそちらを読んで頂ければと思いますが、今は暦年で予想レンジを区切って円高派、円安派と言った二項対立に勤しんでいる状況ではないという意識を喚起したいと思っています(取材時にもそう申し上げています)。
金利差だけの円安では無い、というコラムを書き始めたのが22年3月でした。その際は殆ど耳を貸して貰えませんでしたが今は財務省に有識者会合ができるまでに至りました。世の問題意識は確実に変わっていると思います。
その問題意識は神田財務官懇で当方から提示させて頂きました(資料も公開されています)。その問題意識にどれほど有力な処方箋(利上げや介入と言った話ではありません)を示していけるか、が当面の私の問題意識です。