5割弱が答えた「博士を採用しない」理由、イノベーションを失った…日本の残念な真実
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経済団体連合会は「イノベーションをけん引する博士人材の不足が、日系企業にとって死活問題だ」と主張しますが……
経済産業省が行なった調査によると、企業が博士人材を採用しない理由として、「必要とする人材像に合えば、必ずしも博士号を持っている必要はないため」との回答が5割弱を占めているとのこと。これが日本の実態です。
ビジネスの現場を考えても、スタッフ本人に尖った専門性を求める業種は限られています。
インターネットや生成AIの普及が進み、専門的な知識を「人間」に求める必要性が乏しくなってきているので、昨今はそれがより顕著になりました。
少子高齢化が進む日本の経済的現実の中で、政府が教育や研究に投資をしていかないのならば、食っていけない研究職に対して若者たちに夢を見させるのはかえって残酷かもしれません。
そもそも、インターネットの登場以来、情報やツールの民主化により、博士号を持っていない独学者がイノベーションを起こすことも増えていますからね。便利なAIツールが毎日登場している今、それは加速しています。
分かりやすい学位によって人を判断する時代自体が、終焉を迎えているのではないでしょうか。
注目のコメント
文科省発で「博士人材活躍プラン~博士をとろう~」という施策が推進されていることを初めて知りました。
https://www.mext.go.jp/a_menu/jinzai/1278386_00002.htm
個人的には博士課程まで進んだ方のキャリアのブラックボックスを透明化することが先決だと思います。私が修士だった頃は、"100人の博士の村"みたいなフラッシュ動画が流行り、その動画は確固たる意志のない修士の同僚たちの心をバキバキに折っていったのを覚えています。博士が少ないからイノベーションが少ないのか、
イノベーションが少ないから博士のニーズが少ないのか。
鶏と卵の問題ですね。
もっとも米国でロースクールやビジネススクールの修士でイノベーションに携わる方が多いとも思えません。オペレーショナルだけど高給の職場が多いからだと思います。その背景には、高収益率なビジネスが多数存在する今の米国市場があります。
だから、博士を増やすには、高収益企業が増えることに尽きます。もちろんそのために必要なのがイノベーションではありますが。
日本でも、金融・IT・自動車・素材・部品などに高収益率な企業は存在します。それらの企業が博士を上手く活用するのが一番近道かもしれません。AIに関しては博士需要は旺盛にみえますから。