フランス料理は“オワコン”か? 復権をかけた国家戦略を英紙が皮肉る | 魚のさばき方を仏人シェフが日本で習う日が来るかも…
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国家戦略として「フランス高級料理」。
記事とは直接関係ありませんが、フランス人インターンを私のところに受け入れたときのことです。「日本のフランス料理店はどこも高い!窮屈!自分はもっと安くて家庭的なフランス料理が食べたいんだ!」と憤っていて、「フレンチ=高級」という既成概念にとらわれていた自分は目から鱗の思いでした。
注目のコメント
フランス料理はオワコンではありません。
フランス料理のすごいところは、その技術を言語化し、体系化し、フランスの国外でも、環境の違うところでも再現可能にしてきた点。そして、その技術を正しく伝えるための国家戦略として、グランゼコール(国立大学院)を置いて活動を継続しているところです。その拠点はフェランディ校で、日本料理部門をおき、その共同Dean(研究科長)にはジョエル・ロブションと小山裕久氏をつけるという徹底ぶり、東大とも研究連携協定を結んでいます。なお、この記事にいう「高級料理」とはhaute cuisineのことで、服飾におけるオートクチュールに相当する料理の概念です。彼らの取り組みは、フランスの若手シェフを日本や英国にちょっと派遣するなどという、表面的なものではありません。数年前に日本の老舗フランス料理店に修行に来ているフランス人の話を聞きました。その時に日本人シェフから魚のさばき方ではなくポワレ(poêlé)を習っていると聞いて驚いたですが、フランス本国のレストランでもオーブンの普及でフライパンを使った正式なポワレを提供しているところが少なくなっていると聞いて納得もしました。
フランス政府がフランス料理の本質的な価値を高めたいのならば、高級フランス料理の復権だけでなくフランス料理の基本的な調理法を徹底的に学び直すことも必要ではないかと感じています。日本の飲食店が欧米で苦労するのは、鮮魚が入手できないことだそうです。では欧米では鮮魚は使っていないのか。多くの外国人シェフは鮮魚と冷凍の区別がつかないそうです。この話を聞いたのは5年ほど前の話ではありますが。日本人が持つフランス料理に対する劣等感は見直すべきだと思いますね。