セブン、ヨーカ堂上場へ 祖業のスーパー事業分離
コメント
選択しているユーザー
同社では昨年3月に25年度までに850億円以上のEBITDAを確保し、5%を超えるEBITDAマージンへと引き上げる戦略を発表、その実現を目途にヨーカ堂の単独上場の可能性を示唆していました。ヨーカ堂では全店の4分の1に相当する33店の閉鎖、祖業である衣料品部門から完全撤退等を発表していましたが、本質的に利益を伸ばす施策は力不足、上記目標実現の可否にかかわらず、より踏み込んだ資本政策を検討することにしたものと思われます。
大型店舗である米国のウォルマートとコンビニ業態である日本のセブンイレブンとの重要な共通点とは何でしょうか?前者の6千坪の大型店舗は100の部門に分かれ、部門管理は60坪・2,600アイテムを対象に実行。後者は約70坪の店舗・2,500アイテムを対象に店舗管理を実行。大型店舗でコンビニ並みの管理の実行がウォルマートの凄味。さらにデジタルネイティブ企業並みの顧客起点で経営改革を実行しています。ヨーカ堂に求められているのも顧客起点での肌理の細かい経営改革。そして店舗閉鎖や衣料品からの撤退等のリストラのみならず、戦略投資を伴う成長戦略で利益を上げていくこと。そのためには望ましい今回の策だと思います。
https://digital-shift.jp/top_interview/220722
注目のコメント
7&iは、株主からの、コンビニ事業に集中すべきという圧力を受けるたびに、食品PBの開発にヨーカドーは重要、という説明をしてきましたが、ヨーカ堂が上場すると、PB開発やPBに関するヨーカ堂と7-11の取引条件はどうなるのでしょうか?7-11に有利な条件ではヨーカ堂の株主から文句が出ますし、別会社になるヨーカ堂にPBの肝を握られては7-11にとって大きな問題となります
経営の再建が見えたからなのか、あるいは、スーパー事業の切り離しの政策なのか、、、
ヨーカドーはアダストリアなどとのコラボレーションなどで再起を図っていますが、現状、売り場にはまだそこまで人が戻ってきている感じがしません。
個人的には、重たいスーパー事業を見限ったのだろうか?と邪推してしまいますが、どうでしょうか?報道を真とすれば、実質的にはValueActのロジックを全面的に受け入れた、という意味。
下記は去年4月のValueActの資料。スライド8-16がキーで
・グループシナジーを産むために2005年にセブン・アンド・アイとして統合
・なのにセブンが利益の構成比の100%以上を占め、ヨーカ堂は18年間も構造改革をし続けている
・株価は海外含めた競合に対して低迷し、株主なども不満の声を上げているが対応はされていない
https://valueact.com/wp-content/uploads/2023/04/Shareholder-Questions-for-Seven-i-Board-vF.pdf
一方、その時点でのセブンの発表資料が下記。
その時のコメントでも書いたが、食品中心の戦略だが、グループシナジーを産むために抱えていることが必要、とは言い切れていない。
https://www.7andi.com/library/dbps_data/_material_/localhost/ja/release_pdf/2023_0418_ir02.pdf
セブン&アイHD 井阪隆一社長ら続投へ 米投資ファンドの株主提案に反対(2023/4、TBS NEWS DIG)
https://newspicks.com/news/8354923
今年2月には、井阪社長がBloombergのインタビューに応じた。当然、海外機関投資家を意識したからこの媒体を選んだのだと考えられ、そこでも食品を中心とした戦略に言及。
そこでもコメントしたが、であれば一番のキーのわらべや日洋を完全子会社化すべきで、ヨーカ堂がセブンにとって最重要(ヨーカ堂の利益・成長が少なくてもセブンの源泉となっている)という有効な説明は出来ていないと思った。
成功の鍵はピザとラーメン、セブン井阪氏が狙う米国のコンビニ拡大(2024/2、Bloomberg)
https://newspicks.com/news/9551333
上場したあとは、どうなるか?
親子上場で、何らかのセブンのメリットのためにヨーカ堂が十分な利益を出せなければ、株価が低下してTOBがあるかもしれない(その時にどうセブンは反応するか)。逆に上場で緊張感持って経営されて利益が伸びれば、セブンは追加で売却していくのではないか。