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「紅麹原料」製造途中のサンプル保管 究明のてがかりになるか

NHKニュース
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    専修大学 商学部教授

    医薬品の場合は、認可を受けるためには、薬を投与した動物の半数が死亡する「半数致死量(LD50)」と、投与した動物の半数に最小限の効果があらわれる「半数効果用量(ED50)」の確認は必須です。当然、LD50よりもED50の方が少くないと、効果が表れる前に死亡するため、医薬品になりません。

    LD50÷ED50の値は「治療指数」と呼ばれ、大きいほど安全性が高く、治療に使う薬として好ましいとされますが、一般に抗がん剤などでは、「治療指数」は小さくても商品化されます。効果域と安全域の差が小さくても、効果に賭ける価値があるためです。

    今回のサプリメント(紅麹由来原料)はもとより、多くの食品にさえ、LD50は存在してますが、食品の場合はその値は確かめられず販売できています。致死量が特定されていない物質の場合を原因と疑う場合は、第1段階として、その致死量を特定する研究も必要になります。

    仮により毒性を示す不純物が原因だったとしても、毒性の発現はやはり摂取量によることから、やはり物質の特定と致死量の両方がわからないと究明には至りません。

    少量の摂取で医薬品様の効果を示す物質は、医薬品ほどではないにせよ、少量で健康被害も起こすはずです。もちろん効果と健康被害を起こす量に差はありますが、(医薬品のような研究を省きたいがために)食品として発売されているのだと思いますから、これまで致死量に関してはおそらく何も確認されておらず、原因究明は簡単ではありません。

    そうではありますが、製造途中のサンプル保管は、「毒性が高い物質がイレギュラーに混入したケースにおける原因究明」には役立つはずです。逆に言えば、紅麹菌の特性により健康被害が起こっていた場合は、過度に原因物質を予測してしまうことになり、誤った判断の誘発につながります。

    前から書いていますが、サプリメントを機能性表示食品として売り出せる制度が安全性のチェックを甘くする原因になっており、今回の事件は、そのリスクが顕在化した種類の問題だと思います。医薬品ほどではないにしても、すべてのサプリメント類似商品に対して、ある程度の規制をかけないとこの種の問題は再現すると考えた方が良いと思います。


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