「金利のある世界」26年度の驚きの試算 預金金利10年定期2.5%、住宅ローンは急上昇
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・・普通預金の金利は0.4%に上がるが、物価上昇が2%のため、実質金利がマイナス1.6%になる・・
は?一読してコケた。こりゃまたとんでもない珍説である。
普通預金金利は短期金利に連動する。だから記事の名目金利の算定に普通預金金利を使うのは間違っている。
名目金利は普通預金金利ではなく10年物国債金利を基準とする。記事の予測では長期金利が3.5%に上昇すると試算するがそれは10年物国債金利のこと。そうすると「実質金利=名目金利(3.5%)-期待インフレ率(2.0%)」だから記事の試算とは逆にマイナス1.6%どころか実質金利は1.5%のプラスになるはずなのである。
しかもである。この記事は庶民派を気取るAERAらしく金利上昇によって庶民の生活が困窮するシナリオをこれでもかと列強して心配してくれる。しかし記事の予測数値を使えば上の計算のごとく実質金利は大きくプラスになる。つまりそれはAERAが心配してくれているインフレではない。そりゃあんた。これがデフレってやつだよ。
だから日銀は名目金利の指標である長期国債金利をコントロールして抑えつけつつ期待インフレ率を上げて実質金利を低下させようと躍起になってYCCなんてことをやっていたのだ。だって実質金利が高ければ誰もお金を使わない(企業は投資しない)からね。ほっといてもお金の価値が上がるんだから。
つまり記事は今後金利が上がってもデフレが続くという記事の趣旨とは真逆のけったいな試算をしていることになる。AERAはこのように基本的な知識を持たぬ記者が書く経済記事が多すぎる。馬鹿が記者をやっている。