【最強投資】なぜか「少子化しない街」があった
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ボルツァーノというのは、南チロルにある人口10万人程度の都市です。
もともとドイツ人人口が多いところでしたが、ムッソリーニの時代にイタリアに併合されました。
人口10万人のボルツァーノでは、現在、外国人人口が1万5000人を占めます。
外国人人口は、
2003年には5000人、
2008年には1万人
でした。
ボルツァーノの人口全体は、
2003年には9万5000人、
2008年には10万人でした。
つまり、イタリア国籍を持つ人口は減っているのですが、そのぶん外国人人口が増えることで、人口が維持されています。
出生率を上げているのも、これらアルバニア人やモロッコ人といった外国人人口です。
イタリア北部の都市部では広く見られる傾向です。
https://www.tuttitalia.it/trentino-alto-adige/51-bolzano/statistiche/cittadini-stranieri-2023/日本にも出生率の高い地域はあります。奄美群島、中でも沖永良部島です。ここでは、少子化に危機感を持った高齢者が他人に子育てを自分で手伝い、自分のお金を出して、支援しています。子供を地域で育てるという感覚です。諸外国に学ぶ姿勢は大事です。ただ、社会の成り立ちの前提が全く違うので、つまみ食いにような思考は良くないと思います。似た例は多くあり、イノベーションはシリコンバレーに学ぶ、経済再生は北欧に学ぶ、公園増加は欧州に学ぶ、森林保護はドイツに学ぶ、これら全て失敗しています。
記事を読むと、安心して子供を産み育てるためには、ありとあらゆる政策(支援)が必要だということがよくわかります。
今週のFTのコラムでもありましたが、少子化対策にお金(政策)は効かない、効果が大きいのは文化であるとされていました。本記事とも通じるなあと。
もちろん、(コラムでも書かれていましたが)お金が子育て支援になることは間違いないんですが、産むか産まないかを検討するときにお金より何ステップも先に文化が意思決定に影響を与えているんですよね。
ただ、本記事にもあるとおり、お金などの政策と違って、文化の醸成はとにかく時間がかかります。
あと、少子化しないイタリアの街は、スイス、リヒテンシュタイン、オーストリアに国境を接する地域でこれらの国から文化的な影響を強く受けていることが大きいのだろうなあと感じます。
イタリアを見ていると本当に疲れているなあと感じますが(これが極右政権誕生の原因だと見ていますが)、スイスなど(少子化の現象は同様に起きているものの)は見るからに豊かで人も幸せそう、3人の子供をパパが散歩させているといった光景がそこかしこで見られます。