ほぼ何もわかってない「摩擦力」が高校物理に頻繁に出現するワケ…じつは科学のいろんな分野に悪影響を与えていた
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摩擦というのは、物体の表面と表面の間に生じるもの、です。こいつがわかんない理由の大きな要因、「表面がどうなってるかわかんない」ことにあります(見た目はどうあれ、原子のレベルでは凸凹だし、その程度もばらんばらんなんですよね・・・)。応用、という面でいうと「接着」なんてものも同様に「何でくっついてんのかようわからん」系の現象であったりします。
ノーベル賞もらったP.G.De Gennesなど、賞もらったあとこの問題に取り組んでましたが(講義してもらったことがあります)、自分の理論を検証するには「ちゃんとした表面がいる」ってことで、実験ではシリコンウエファ使ってました。
一方、最表面にある原子、内部にあるそれとはエネルギー状態が違うので、いろいろ「おかしな振る舞い」をしたりします。それを上手に設計することで「望ましい特性を発現させる」ってことができますし、ずっとそのような努力が続けられてきています(たとえ、「よーわからん」部分が大きくっても)。
例えば、皆さんが普通に乗っている自動車用のプラスチックとかタイヤ用のゴムなど、いくつかの成分の混ぜ物だったりするわけなのですが、それら成分間の境目(この場合、表面ではなく「界面」といいます)の設計により(結構、「片っ端からやってみる」みたいな側面もあるのですが)、とんでもない性能を引き出す、なんてことがなされています。
とても大事な物理現象、なんです。