【清水和夫】トヨタグループで不正が相次いだ、本当の理由
コメント
選択しているユーザー
【只今一言】トヨタが変わったのか、それとも世の中か?
この記事もトヨタがいつの頃からか変わってしまったという論調だ。
しかしながら、製造業をよく知る者からすれば、それは違うのではないかと思っているはずだ。
なぜならば、製造業で品質基準やオペレーションを変えるのはとても難しいからだ。
だから、今回の件はそもそもこの検査が手順に加わった当初から実質的な許容範囲として認識されていたのではないかと考えてしまう。
そして、時代が経過して、それが許容できなくなったのではないか。
注目のコメント
本記事を読むと、筆者はあくまで自動車(製品)の評論家であり、タイトルである「トヨタグループで不正が相次いだ、本当の理由」を説明出来るほどの知識や分析力を有していないと感じました。
同じ自動車評論家であれば、たぶん国沢光宏さんの方が適任だったと思います。
タイトルである「トヨタグループで不正が相次いだ、本当の理由」に対し、記事での回答は「トヨタから来た子会社の社長が現場に足を運んでいないから」とのことですが、それが真因ではないでしょう。
「とにかく現場へ行く」と言う、トヨタっぽいバズワードを原因の分析に入れているだけで、原因の深堀りが出来ていません。
トヨタでの「現場へ行く」と言うのは、本来の目的は「現場の課題を明確化し、部下達と一緒に汗をかいて課題の解決を推進」することと理解しています。
社長が専門外の現場に足を運んで、設計現場や製造現場の課題を把握出来る人は、まずいません。製造現場上がりの中卒副社長(河合満氏)なら可能でしょうが、それ以外だと北朝鮮の首領者ぐらいでしょう。
ワタシが考えるトヨタグループの検査不正の原因は、「技術力が低いのに、強烈な目標達成のプレッシャーを与える体育会系体質」だと考えています。
トヨタは、カイゼン活動など生産技術力は世界的なレベルですが、一方で設計技術力はそれほど高くないと認識しています。
それでもクルマが売れるのは、高いマーケティング力を基に商品開発を進めて、設計技術力自体は高くないものの、プロデュース力でサプライヤーをうまく使ってよい製品を設計しているからです。
設計技術力が低いので、問題が起きると担当の解決速度が遅いし、その上司は問題を理解出来ないし、体育会系体質なので理解する気も無い。上司は現場に丸投げで高い目標を達成するように大声を出すだけでしょう。だから、現場の担当者は実害が無い範囲で、不正作業で取り繕おうとするのでしょう。
話を戻すと、親会社からの子会社社長が、親会社しか見ていないなんてことは、どこの会社でも一緒であり、それ自体であれだけの検査不正の原因にはならないでしょう。
そもそも、不正問題の筆頭であるダイハツの不正は、40年以上前から行われていたので、25年前の奥田元社長のグローバルマスタープランが直接の原因ではないでしょう。トヨタを四半世紀見ているくらいでは、この問題の分析は困難と考えます。今のトヨタは組織としての風通しが非常に悪い。人の仕事に口も出さなければ、関心もない。
「減点」を恐れてチャレンジしようとする人が少なくなった気がします。
章男会長は素晴らしいものをたくさんトヨタに残しましたが、ここからはバトンを次の世代にしっかり託すべきです。いま章男社長時代の13年間の膿を搾り出す時です。ご自身と内外に巣食う取り巻きを排除し、佐藤社長に舵取りを任せることが一番肝腎な仕事だと思います。社長の重要性は間違いないのですが、それが子会社の根本的な不正につながるには、中間管理職は何をしていたんだろうと思わざるを得ません。無意識のうちに組織全体に「このくらいいいだろう」が蔓延しているとすれば、トップを変えたくらいでは何も変わらないのではと心配です。