3カ国突撃ルポ。核のごみ捨て場どこに作る?
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フランス、ドイツでの核のごみを巡る取材では、動画に登場しない人たちを含め、たくさんの出会いがありました。
一番印象深かったのは、ドイツのハレで開かれた会合に来ていた10代の子供たちです。1人ひとり、自分の言葉で核ごみについての考えを語ってくれました。ドイツは脱原発を果たしているので、彼ら自身は今後、原発が作り出す電気を享受することができません。にもかかわらず、ちゃんと自分たちの問題として学び、考えている。子どもたちもそうですが、彼らを引率している先生もすごいと思いました。
低中レベルの核ごみの処分場の近くにある学校でも取材したところ、放射線の種類や性質、核ごみについて、ガイガーカウンターなどを使って教えているとのことでした。
一方、フランスの予定地近隣の町で住民に話を聞くと、賛同だけではなく、無関心や諦めを伴う反対など、様々なトーンの声がありました。動画に登場する1人目の女性のコメントからは政府のとってきた方法が垣間見えます。
事前に聞いた話によると、2010年代後半には負傷者や逮捕者も出るような激しい反対運動があり、昨年にも反対派による数百人規模の集会があったそうです。
日本は今後、どんな道を歩むのか。2日目のインフォグラフィクスで紹介したように、日本特有の事情や背景もあります。ドイツ以上に険しい道のりになるのかもしれません。それでもやはり、未来の世代に「丸投げ」するのは違うと思うのです。この特集が誰かにとって、核ごみ問題に関心を持つきっかけになったら嬉しいです。再生可能エネルギーや核融合の話題がエネルギーの表のテーマとすれば、核のゴミは裏のテーマ。
ドイツやフランスでは子供や主婦も含め市民全体で、こうしたテーマに正面から取り組もうとしている姿を見ると、民主主義が機能してるなと感じます。
簡単には答えが出せない問題に対して、コミュニケーションを通じて合意形成をはかるということを若い頃から経験することで、高い問題解決力が身につきそうです。本論ではないが…フランスもドイツも、議論・対話の技術・文化が興味深かった。
意見は正反対でも、それ以上でもそれ以下でもなかったり、意見に共感するか否かが議論をしないという風にはならない。