「昆布」が気候変動に苦しむアラスカの“救世主”になろうとしている | 困窮する先住民の暮らしを救えるか?
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数年前からブルーカーボンに絡めて積極的に取り組むスタートアップが増えていますよね。北欧でも南の豪州でも投資を呼び込んで熱を帯びている印象は受けます。ただ食用ではまだまだ海藻消費は日本や韓国などのアジア圏頼み。健康に良いと言っても硫化ジメチルの磯の香りが欧米人にはキツイし、グニャグニャ食感への抵抗も強いのが実情だと思います。
知人が南半球でブルーカーボン絡みの海藻事業をやってますが、人の食用ではなく、牛の餌(以前ピックがあったようにCO2削減効果がある)が最も投資熱が高い分野と言ってました。また別の会社はポリマー加工して建築素材に応用するような話をしてましたが、普通に食用として定着するよりかは食用外の方が早く広がりそうな気はします。
注目のコメント
私の知り合いの海苔業者さんは、数年前から海外への販売も積極展開されていて、フランス料理店に採用されるなど、昆布だけでなくさまざまな海藻がスーパーフードとして徐々に世界での注目を集め始めているようです。
環境変化に応じた救世主となることはもちろん期待したい一方で、こうした養殖業が世界的に広がることで確実に起こるであろうことは、国産の海藻類の価値がやはり落ちていくだろうことです。
サーモンやサバなどは代表的な例ですが、まだまだ時間は要するとは言え、将来的に大量生産によって安価な水産物が海外から逆輸入される状況になれば、また日本の海産物の一つが価値を失っていくだろうことはやはり懸念されます。
日本で昆布と言えば北海道の「利尻昆布」がブランド化していますが、昆布や海苔、日本の海藻類のブランド価値を世界基準で高めていく努力が必要なの段階に入っているのかもしれません。海藻は、温室効果ガス吸着や代替食料としての効用だけでなく、マイクロプラスチック吸着作用も期待されており、魚や貝類がそのエリアでマイクロプラスチックを取り込むのを防ぐ効果があるといいます。
マイクロプラスチックが付着するのは表面の孔だけなので、高圧噴射洗浄などで口に入る前に落とすことができれば、食用用途も考えられるとのこと。
海藻を食べない地域で昆布を常食にするのはなかなか困難なことだと思いますが、他の養殖業に良い効果をもたらしうまく共生できれば成功確率が高くなると思います。気候変動や生物多様性の対策として海藻が注目されていす。
ただこの記事からは、陸の仕事がなくなりそうだから海で稼ぐ、そのための権利の問題や資金、そしてマーケットの課題、など色々混ざっていて、気候変動や生物多様性対策として取り組もうとしてるのか、そうじゃないのかはよくわかりませんでした。
日本のように古くから海藻を当たり前のように食べていたわけではない国で、この記事に出てくるような投資額で一気に産業がうまくいくのは難しい気もします。
そもそも大切にしなければならない陸の仕事を再生するための環境対策はどうなってるのか、というのがとても気になりました。
陸の対策もやってるんだろうとは思いますが、陸を食いつくしたから次は海、みたいな感じだとサステナブルじゃないですからね。