書店振興へ専門チーム設置 経産省、工夫事例を共有
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経産省はアドバルーン官庁なので、目新しい施策が大好きです。経産相が「書店は近年激減し危機感を持っている。盛り上げていきたい」というぐらいは、書店応援はウケると踏んだのだと思います。
しかし、そうした経産省の施策がハマったことはほとんどありません。クールジャパン、婚活支援、液晶画面……。
野口悠紀雄の著作から切り出して、こんな記事を作ったこともあります。
経産省が手を出した業界から崩壊していく…日本企業が世界市場で勝てなかった根本原因 だから世界一だった液晶と半導体も崩壊した #プレジデントオンライン https://president.jp/articles/-/63430
書店は大事なものですが、経産省の試みでよくなる姿がイメージできません。集客支援ではなく、送料や地代の優遇を考えてもらえるといいと思うのですが……。
注目のコメント
作家や出版業界人には書店を愛する方が多くいます。
それは、自分のかかわった本を売ってくれるからだけではありません。
書店という「本の海」(〔c〕上白石萌音さん)があったからこそ、物語の世界に入り込み、物語とかかわって生きてくることができたという感謝の気持ちがあるからです。
これは、実用書でも同じで、多様な生態系を維持するためには「海」が必要ということです。出版スタートアップの立場でコメントします。
こちらの記事に対して、なぜ書店に行政が介入するのかという突っ込みがあるかと思います。
あまり知られていませんが、日本の出版システムは世界で見ても稀有で、これだけ多くの書店がある国もそうありません。Amazonが最初に本に手を出したという話からもそれはわかると思います。
日本の出版が特別な理由として、まず再販価格維持制度があります。これは本の価格を小売側でコントロールさせずに版元が決めるというもので、どこの本屋さんでも本の定価は変わらず手に入ります。
これは独占禁止法の観点から言えば、書店同士の競争を阻害することなので当然アウトです。ただ特例として認められていて、その理由が国民にとって知識を得るという教育的観点において平等であるべき!という大義名分によるものです。
これ自体はネットの発達などを考えると、それほど実効性があるものでもありませんが、日本のコンテンツビジネスが大きくなった背景として、こういった制度を定めたことで、書店ビジネスが全国で盛り上がったという背景は理解しておくといいかなと思います。
とはいえ、06年から22年の間に半減するほどの勢いで減っている状況で、行政の介入をしたとしても焼け石に水ではあります。
電子書籍領域の開拓など、新たな試みをどうしていくかを考えることが先決ではないかとは思います。