【脱・価格勝負】大ヒット「2.5万円トースター」開発の舞台裏
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我が家の家電のかなりのシェアを占めるツインバード。中でも秀逸なのが、ここにもあるトースター、そして冷凍冷蔵庫。後者は外装がミラーガラスなのですが、ドアの一部に窓があり、外から内照灯を点けてドアを開けずに中を見ることがあります。とにかくカッコよくて、機能的なくすぐりポイントを持っています。
以前からそのデザイン性に注目していたブランドでしたが、ここ数年さらに大きく踏み込んだように思っていましたが、このような背景があったのですね。私自身、社会人生活の若い時期を博報堂で過ごし、ブランドというものが何なのかを多くのお客様とご一緒する中で学びました。その一つがマツダでした。そして、まさにその時に学んだ中で最も重要なのが、本記事にもあった以下の言葉に代表される考え方です。
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生活者を欺くブランディングは、いずれ必ず見抜かれます。
嘘をつかず、長続きするブランドをつくるには、5年先10年先を見据えながら深い次元で対話をし、アウトプットを重ねていくしかないと思うのです。
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より多くの人の心を掴み、自らに目を向かせるのは、それほど難しいことではありません。それは大言壮語や心地よい言葉で人々を欺けばできることだからです。しかし、心から愛され、人々に幸せを感じでもらえるようになるには、嘘をつかず、深い次元で対話をしつつ、結果を出すしかありません。
小さくとも熱心なファンを抱えるブランドを作るということは、これからさらにもっと重要になってきます。ブランド評価が最低だった2000年当時のマツダは四半世紀近くを経て、多くのブランド評価ランキングでグローバルで上位に位置するようになり、熱心なファンに支えるブランドになりました。
このような真面目で真摯な取り組みは、必ず実を結ぶと思います。私は事業開発の部門に居り、実際に起業もしていますが、日本の企業全般にコスト削減の意識は非常に高いが、それに対して自社の企業価値を高めるブランディングを行うという意識が低いのではと感じます。ここで言うブランディングとは単純な広告といった話ではなく、商品開発や技術開発などをコーポレートパーパスを策定する経営企画などの部門とも一体となって実施して企業が生み出すべき方向性を定めていくというものです。この記事の博報堂社の役割は正にそのようなものかと思います。出来た商品や技術をどう見せるかということではなく、ブランディングの観点から商品、技術開発のフェーズから入り込んでいく。日本は開発の現場では技術者の意見が強く、彼らが出来ないと言えばそれまでで終わってしまうので、そこにコーポレートのブランディング部隊が絡むことで、より戦略的な開発を行っていくことが重要と思います。
想定の4倍の売れ行きという、ツインバード社の高価格帯トースター。
同社の技術力が詰まった新製品ヒットの背景について聞いたところ、そこには商品開発、そしてリブランディングからの積み重ねがありました。
パートナーである博報堂のお話でキーワードとなったのは「リソースベース」。
なかなか競合優位性を謳うのが難しいいま、市場に対して真摯に向き合うことで“本来持つ価値”を伝える姿勢が印象的でした。あらゆる企業さんやブランドにも学びにつながりそうな事例だと感じます。ぜひご一読ください。
余談ですが、お話を聞いてから気になりすぎて、この匠ブランジェトースターを自腹で購入し、今のところ私の2024年買ってよかったものランキングの1位です。笑