株価一時最高値も「好景気」実感できず バブル期の34年前から変わった経済と社会構造
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それぞれの国の潜在的な成長力は、労働力と設備と技術がどの程度勢いよく成長する環境があるかで異なります。日経平均株価が史上最高値を付けた当時の日本の潜在成長率は4.5%程度ありました。人口がピークに近づいて日本全体として労働時間は減り続けていましたが、民間の貯蓄が企業の投資に回り、技術力も向上し続けていたからです。ところが今では全てが様変わり。
人口が減る中で高齢者と女性が働き出して労働人口が増えるなり横ばい程度にとどまるなりする中で日本全体の労働時間が減る、つまり一人当たりの労働時間が減るのに加え、民間の貯蓄は政府の赤字の穴埋めに回って民間企業の投資は伸びず、生産性の向上、つまり技術力の進歩も微々たるもので、潜在的な成長率はゼロパーセント台半ばまで下がっています。これでは個々の国民が経済的に豊かにならないのは当然です。
円安で海外で稼いだ利益が膨らんで企業が儲かり日本株への期待が膨らんで株価は上がっていますけど、潜在成長率が低位に留まるということは、それを生み出す日本の企業が国内で強くはなっていないということです。そんな中、政府は労働分配率を高めて賃金を引き上げることに躍起になっていますけど、それとても、生産性向上に向けた企業の投資資金を減らして日本で活動する企業の国際競争力を引き下げる方向に働く可能性がある両刃の剣。
如何に株価が上がっても、好景気が実感できないのもむべなるかな。 (._.)シュン