春闘 ホンダとマツダが満額回答 高水準での賃上げ広がるか
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企業利益が働く者に分配されること(後は研究開発)は、本当に健全なことだと思います。
自動車系の労働組合(自動車総連という上部団体加盟の労働組合)は、「春闘(春闘う)」という言葉は用いません。
「春取り(春の取り組み)」と言います。
1962年のトヨタの労使宣言( https://www.kabanet.org/organization/statement/ )が象徴的ですが、安易な労使対立ではなく労使協調・労使創造の役割も担っています。
多くの自動車系の労働組合は、会社の中期経営計画の落とし込みとその実現までも労働組合と組合員が担っています。
労使関係はクルマの両輪のような関係性です。それぞれのタイヤが交わることはないですが、同じ方向に同じスピードで回って、会社を前進させています。
ホンダやマツダが満額なのは至極当然だと思います。
職能別労働組合中心の欧州、産業別労働組合中心の米国とは違う日本型の企業内労働組合は、一見弱腰に見えますが、争議権(ストライキ)が発動できる団体交渉ではなく、労使協議によって安易なストライキで労使共に傷つけ合うことを回避した成熟した労使関係です。
人的資本経営やウェルビーイング時代に、エコノミー企業内でヒューマニティ思想の中心的役割を担ってきた労働組合の活動に漸くスポットライトが当たってきていると思います。
注目のコメント
賃上げに関する報道は大本営化しています。大幅な賃上げは大々的に報道される一方、芳しくない賃上げは報道されません。昨年度からそうで、結果的に今年度は実質賃金が2%以上のマイナスでした。個人消費が今年度に入りずっとマイナスで、GDPが2四半期連続でマイナスとなる主因となりました。来年度について、東京商工リサーチから以下のように、中小企業は今年以下の賃上げになるとの報道が出ています。
https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1198389_1527.html自動車産業はほぼ全てのメーカーが大幅な増収増益でしたから、他メーカーも続きそうです。日本の賃上げを自動車産業が牽引していただけると嬉しいですね。今の物価上昇率を考えると、年5%の昇給は最低ラインじゃないかと思います。我々も続きます。
問題は中小企業です。
ここ10年間の賃上げ率を見ても、中小企業※の賃上げ率はひたすら大企業を下回っています。従業員数で言えば7割が中小企業です。また新聞に賃上げが報道される企業は大企業の中でも最上位(1%以内)にある企業でしょう。
※中小企業とは製造業の場合資本金3億円以下または従業員数300人以下、サービス業では資本金5000万円以下または従業数20人以下。
トリクルダウンなど起きないことはアベノミクスでも証明されましたし、この格差是正はどうしたらいいのでしょうか。政府が何らかのサポートをするか、賃上げもできない企業は市場から退場してもらって産業構造の転換を促すのか…。このあたりが私にはよく分かりません。