楽天、赤字3394億円=5年連続、携帯苦戦―12月期・23年ぶり無配転落
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財政状態はヤバいかヤバくないかでいえば“まだヤバい状態”ですが、短信を見るとFCFが通年黒字になっていたり、説明資料を見るとモバイル損益の大幅改善のほか、他事業でも大きく増益となっていたり。
勿論、その良くなった要因の良し悪しは評価が分かれるかもしれません。見せ方の問題もあるでしょう。(説明資料ではNon-GAAPとか付いてますので)
しかし、まぁ記事タイトルにある赤字の絶対額に引っ張られず、自分の目で決算資料を見て評価した方が良いです。特に推移を。
https://corp.rakuten.co.jp/investors/documents/results/決算を見てみた。ソフトバンクGほどではないが、なかなか読みにくくて、なぜかというと金融事業があるのと調整系があるため。
ざっくりだが
①Non-GAAP営業利益が、四半期では-36億円とほぼフラットまで行った
②だが、CFが金融事業で実態が見えにくく、それをざっくり調整するとそこまでよくない?
という感じ。
まず①については、決算スライド補足資料のスライド12。
懸案のモバイルセグメントは投資を継続することが必要なので、Non-GAAP EBITDAよりNon-GAAP営業利益を見るべきだと思っている。Non-GAAPで調整を色々しているもので「意見」ではあるが、ただモバイルの一定の投資をしても大丈夫な数値水準にここではなった。
②については、短信12ページでCFを見ると、額が大きいモノは金融関連で、カード・銀行・証券・保険といった言葉がついていたり、あとは債券貸借取引。これらを調整した営業CF・投資CFを計算してみると、営業CFは838億円(調整前は7242億円)、投資CFは-3168億円(同-5974億円)、合算したFCFは-2330億円(同1268億円)。
経年で調整した数値も見ると、営業CFは2021・2022年度は赤字だったのが黒字化、投資CFも2021・2022年度より圧縮。大体の年度で営業CFの黒字、投資CFの赤字が圧縮されるが、その両方の合算では営業CFの圧縮の方が大きい。金融事業は規制含めて非金融事業に使えなかったり保護・隔離しておく必要がある部分も多いと思う。そして調整(Non-GAAP)などもあるためクリアには見えないが、CFだけを調整してみた分には、引き続き厳しい状況に見える。
逆に問題がなければ、トヨタのような金融事業除きの財務諸表も併せて開示すればよいし、クレジットリスクが下がるならそうすると思う(まぁトヨタがレアケースで、ソニーのように金融除きの財務諸表開示しないことが大部分…問題ないからあえて開示コストをかけていないという点では楽天と一緒ではない)。
https://corp.rakuten.co.jp/investors/documents/results/
投資体力や、EC(あわよくばモバイル)含めたエコシステムという点で、個人的にはリクルートが買収しないかといった妄想をしている。赤字のマネジメントとあらゆる手法での資金調達。楽天の財務チームは徹底的に鍛えられる環境ですね。かつての2000年代のソフトバンク財務チームもそんな感じだったのだろうか。。