国の借金は過去最大1286兆円 23年末、物価高対策響く
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国民一人当たりいくらの借金と報道しなくなっただけましかと思いますが、そもそも過去のデータを振り返ると、金利水準が高い時の方が名目成長率も高くなるので、金利が高い時の方が財政収支が改善しているという事実があります。
借金額は所得対比でみて初めて負担感が分かります。大金持ちにとっては1億円の借金など問題にならないのと同じ理屈です。ここ数年、日本はインフレのおかげで名目GDPが大きく伸びました。この結果、国の借金/名目GDPは何と下がっています。要するに財政状況が改善したのです。以下、IMFの計算です。粗債務/名目GDP比率;2020年259%、2023年255%、2024年見込み252%、これが現実です。
日本は経常収支黒字国です。これは公的部門の債務を民間部門(家計+企業)の貯蓄が上回っていることを意味し、海外資金に依存せずとも公的部門のファイナンスが可能です(=とは言え、後述する通り、実際には海外勢による国債保有比率は徐々に高まっています)。この為、一昨年の英国でみられたような財政拡張策の発表に伴う海外資金の流出と国債急落(金利急騰)劇が日本で観測される可能性は現状では低いでしょう。一方、中長期的にみた留意点やリスクとして2点を指摘します。1つは経常赤字への転落です。この場合、国債を海外勢に買ってもらわなければならず、ショックに対する耐性が大きく低下します。高齢化の進展は貯蓄率の低下を通じて経常黒字の縮小に作用します。もう1つはBBBへの格下げです。公的債務残高の対GDP比率だけに照らせば、日本国債の格付けはBBBでも全く不思議ではありません。それでもシングルAを維持できている背景に、①経常黒字や、②財政健全化の余地、③その意志など挙げられます。②については、日本の消費税はOECD平均の半分ですから、格付け会社にはまだ引上げ余地(財政健全化余地)があると映るのでしょう。③についても政府がプライマリーバランスの黒字化目標を掲げています(再三にわたって先延ばしされていますが・・・)。バーゼル委員会が定める標準的手法では、日本国債などソブリンや外国中央銀行に対する外貨建債権に適用されるリスク掛け目はA格なら20%ですが、BBB格には50%が適用されます。この為、万が一にも日本国債の格付けがBBBに引き下げられると、外国銀行を中心に日本国債を手放さざるを得なくなる海外投資家が相応に出てくると考えられます。因みに、昨年9月末時点で海外勢が日本国債を165兆円(構成比13.7%)保有していますから、その際のインパクトは相応と見込まれます。