初任給の大幅引き上げに動く日本企業、日銀の政策正常化を側面支援
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皆さんがご指摘されている通り、初任給を引き上げても、人事制度の抜本的な改革をしない限り賃金カーブはフラット化してしまう可能性が高いわけで。今後、若手の就業意欲やキャリアの指向にどのような影響が出るのか、興味深く見ています。
私は2000年代初頭、ギリギリ「銀行初任給一律17万4,000円」時代に社会人になりましたが、当時は「第二新卒」というカテゴリーが転職界で定着し始めた時期でもありました。単なるミスマッチの解消だけでなく、当時から、安すぎる給料といびつな賃金カーブにフラストレーションを抱く若手は一定数いました。
注目のコメント
初任給の引き上げは、賃金テーブル全体の引き上げでなければ、賃金のフラット化が促されます。大幅に引き上げるほど、職能的な賃金テーブルの段階を維持することが難しいので、給与制度の見直しが必要になります。若手を抑えて年功給でシニアに報いてきた給与制度は、労働市場からの圧力で、いよいよ維持できなくなってきました。
人事制度は制度間の関係性が強いので、給与の見直しは、本給だけでなく手当や福利厚生、組織構造や意思決定ラインの見直しなどにも跳ねていきます。定期昇給のインセンティブも設計が難しくなるので、別の手立てを考えないといけなくなります。
人手不足はどこも同じなので、賃上げの動きが大企業だけにとどまらなければ、日銀政策の正常化へのハードルも下がりそうです。以前から就職活動の関係で初任給は公表していて、それが顧客企業の人に見られると、初任給が高いと疎まれるという(妙な)配慮で初任給(だけ)をわざと低く抑えていた、という時代は過去のものになりそうだ。顧客企業の人にどう見られようと、若手人材の獲得の優先度が今まで以上に高まっていることが、この記事の背景にありだろう。