3社が下方修正総合化学5社、「石化」想定以上の需要減で大幅悪化
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汎用品のエチレンなどは、中国がこれからも巨大なプラントを続々と立ち上げます。当然、過剰供給から価格競争となり、業績は悪化します。一方、特殊な技術を要する特殊品はそのような価競争に巻き込まれません。個別には、汎用品から特殊品にどう事業ポートフォリオを組み替えたかで、明暗が分かれています。同じことは他の素材、たとえば鉄鋼に言えます。
三菱、三井と、住友とを比べてみれば少しよく見えてくるのかも?。前者の石化(プラスチックだと思っていただければよいか、と)は基本国内に軸を置き、そこで需要見合いの生産をしていく、って考え方。住化さんはラービグに参加することで「グローバルサプライヤー」を目指し、「国内はまあ、いいか」みたいな感じです。
グローバルマーケットでここのとこでかいのは「中国の不調」、なんせ規模がとんでもなくでかいので、ここが調子を崩すと世界の工場の製品の行き場がなくなってしまいます。塩ビなど「インドの需要がすごく大きい」製品もあるのですが、その塩ビを含めたプラスチック、中国の会社から世界にがんがん輸出される始末で。ものがだぶついて値段があがらず利益が出ない(世界市場では日本と違い、需要と供給で価格が決まります)、エクスポージャーが一番大きい住化さんが一番ばくれつな赤を出す、ってな状況ではと思います。あいつら、国有企業に近い性格があるせいか「赤字だろうが全然生産しぼりやがらへん」とこが困ったもんで。今回もかもですが、ちょっと前、鉄屋さんもひどい目にあってましたね。
他のニュースにもありますが。中国はすぐに復活したりしなさそうな雰囲気、各社さんの社長さんが「しばらくもどらへんのでは」と悲観的なのはこのせいかと。まあ、自動車(今どきの車、30%とかプラスチックでできてるので)が調子いいのが「数少ない救い」なのかも・・・。
さらに、長期的な流れでは。ものが出えへんくせに、まだまだ中国では「馬鹿でかい工場建設の計画」が目白押し。BASFさんに加え、今度はアラブの王様が参戦、とやら。国内マーケットも少子高齢化で縮んでいくでしょうし、「もう一段整理せなあかんかなあ・・」なんて話が出てくる背景にはこういうことがあるのではと思っています。
ギルソン去った今、つぎは何が出てくるんでしょうね?(笑)。総合化学5社の2024年3月期連結業績予想が出そろい、3社が下方修正しました。今後、EVへのシフトが加速することが予想されるので石油関連事業の構造改革が急務ですね。