ネタニヤフ氏、ハマスの休戦案を拒否 米国務長官「なお交渉余地」
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ネタニヤフ政権はハマースを絶滅させたい、
ハマースはガザ地区で存続したい、
双方の譲れない線がこれらである限り、休戦で合意することはありません。
可能だとしてもせいぜい一部の人質解放までです。
人質を全員解放してしまうと、ハマースはガザ地区で存続するためのカードを失うので、ガザ地区での存続が保障されない限りは、人質の全員解放もしないでしょう。
人質カードも、ハマースの存続を保障できるほどのカードではないのですが。
今日の重要な事態は、この休戦交渉よりも、イラクの首都バグダードで起きていることです。
米国が中途半端な爆撃をするので、イラクのシーア派武装勢力が大挙して復讐を呼号しています。
中途半端なところでやめるのが一番まずいです。
今やめれば、ハマースは1年もすればガザ地区でイスラエル軍に殺害された3万人もの復讐、ということで、イスラエルのユダヤ人に大規模な襲撃をかけるでしょう。
やるなら相手が(このくらいはやり返されてもしょうがない)と思える範囲にするか、2度と立ち上がれないところまで徹底的にやるか、です。
もちろん、ネタニヤフ政権がどこでやめるのかハッキリ決めないまま4か月も報復作戦を続けているのがそもそもまずいのですが、もはやここでやめると近い将来復讐されるのは確実なところまできてしまっています。ネタニヤフ政権は極右政党と連立を組んでいるために特に過激です。時代錯誤のシオニズムを先鋭化させています。
しかし忘れてならないのは、そもそもオスロ合意以降の30年間、パレスチナは意図的に経済発展を低く抑えられ、日常的に電気が足りず、イスラエル警察に逮捕された場合には戦争法で処罰されるという状況に置かれていたこと。そしてハマスがガザを掌握して以降も、監視・隔離することで安全保障を図り、それを国際社会が是として来たことです。
むしろイスラエルの高度な(しかし時に非人道的な)監視・迎撃システムを高く評価し、取り入れようとする国々も少なくありません。
ネタニヤフ政権だけの問題でもなく、またイスラエル一国だけの問題でもなく、国際社会にも根深い問題があり、それが今回の人道危機を招いているといえます。
鶴見太郎・鈴木啓之両先生の解説が以下のリンクから無料で読めます。是非ご一読ください。
https://www.c.u-tokyo.ac.jp/info/about/booklet-gazette/bulletin/バイデン政権としては大統領選を意識して、米国の若者を味方につける必要性があり、そのためにはイスラエルを抑え込まないといけない。しかしそれをやれば、国内のイスラエル・ロビーの反感を買うことになる。本問題は米国にとっては内政に深くかかわる事項なので、米国としてもかなり慎重にやる必要があるのだろう。