「1日2リットルを飲むべき」は呪いである…管理栄養士が「ペットボトルを身近に置かないで」と訴える理由
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これは呪いでもなんでもなく、過剰な水分摂取より脱水の方が問題になりやすい世代に向けた一般的なガイドラインだと思います。
確かに、著者の「すべての高齢の人に当てはまることではありません」というのは正しく、記載内容を全て否定するつもりはありません。しかし、種々のガイドラインは、その注意とセットで一定量の水分摂取を推奨しています。
米国では最低1.5L程度(体重によって変動)、英国NHSは1.5-2L程度、厚生労働省は最低1.2Lの水分摂取を推奨しています。これは著者の「味噌汁があれば十分」との主張とは異なり、食事摂取からの水分摂取に加えて摂取する必要のある水分量として算出されています。「味噌汁があれば十分」という主張は、その根拠を欠き、各国ガイドラインとも異なる推奨です。ガイドラインと異なる主張をするのであれば、自論ではなく科学的根拠を明確に示すべきでしょう。
また、通常2Lの水分摂取で下痢が起こることはありませんし、胃酸が薄まりムカムカすることもありません。胃酸が薄まれば、むしろムカムカは治るでしょう。水2Lの水分摂取で胃酸が薄まり健康に影響が出ること自体示されていませんし、水分摂取過多でムカムカするとすれば、胃の拡張などによる影響でしょう。
水分を過剰に摂取するのは問題ですし、個人の生活や病状などに適した摂取をということにも同意しますが、ガイドラインと大きく異なる主張をすることには賛同できません。また、「水分摂取で下痢が起こる」はよくある誤解で、この誤解をもとに胃腸炎の際に脱水を酷くされて来院する患者さんに頻繁に遭遇します。老年医学専門医の立場から、問題のある記事だと感じます。
NHS
https://www.nhs.uk/live-well/eat-well/food-guidelines-and-food-labels/water-drinks-nutrition/#:~:text=The%20Eatwell%20Guide%20recommends%20that,tea%20and%20coffee%2C%20all%20count.
厚労省
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000165091.pdf「ペットボトルの水を1リットル飲むたび、私たちは何十万という微細なプラスチック片を飲み込んでいる」らしいです…。
↓(詳しくは…)
https://courrier.jp/cj/350771/?utm_source=newspicks&utm_campaign=350771