米地銀NYCB、株価暴落-不動産リスクの衝撃が市場揺さぶる
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NYCBの予想外の大幅損失の原因は、貸倒引当金が5.5億ドルへ急増したことです。NYCBは、シグネチャーバンクの預金だけではなく、資産380億ドルも買い取っていて、後者のうちローン資産が130億ドルあります。
このローン資産の中に、不良債権が混じっていて、それの貸倒引当金を積み増したと仮定しますと、このローン資産の不良債権比率が4%を超えている計算になります。仲介したFDICに騙されたということなのでしょうか。
そうではなく、シグネチャーバンクから買い取った現金を慌てて何かの貸出に回したところ、それに対する貸倒引当金を積み増したのだと仮定しますと、貸倒引当金比率が2%を超えています。NYCBのひどい判断ミスとなります。
マーケットは、これが不良債権問題による銀行危機の前触れと受け止め、FRBが利下げをしてくれる材料になると期待しているようですね。FRBが先日、銀行向け期間貸出プログラムを予定どおり終了させると発表したことで、不安感が高まっていた微妙なタイミングでした。シグネチャーバンクの預金を買い取ったことで、流動性が増すと思いきや、追加資本を必要とすることに。それが無理な融資に向かったのではないでしょうか。貸倒引当金がアナリスト予想の10倍に膨れました。
それにしても1日で45%下落とは驚きです。昨年Signature Bankを買収して救世主になったNYCB。この救済によってローン残高が$100Bnを超過。この規模になると当局の監督基準が高まり貸倒引当金の積み増しが必要になったので仕方なく損失が出たってことだと思うのですが、何より配当金をカットしたのが痛い。。高配当銘柄的なポジションだったと思うので、配当カットで失望売りは当然の帰結なのかも。