楽天Gが海外市場で資金調達へ、1500億円規模-ジャンク債に強い需要
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前半生はこういうの積極的にPickしてコメしてたな・・・と後半生に居る小生には隔世の感あり。外格(S&P)でNon-IGのBB(neg)である同社だが、まだ発行体格付と無担保債の格付が分離していないので、定義上ジャンク債ではあるが、欧米市場では大したジャンクでもない。であるからして、年限を中期にとどめておけば一定の需要は捉まえられよう。これFixed(固定利付債)ですかね? であれば、投資判断における残りの決め手はベース金利の動向をどう見るか次第だ。
上に「まだ発行体格付と無担保債の格付が分離していない」と書いた。非適格級(BB+以下)になると長期発行体格付と個別債務(社債含む)の格付が分離する。欧米ハイイールド債やレバレッジド・ローンのマーケットでは個別債務のタームが有担保か無担保か、有担なら抵当権(Lien)の順位は、とのカスケードで格付が変わってくるものだが、楽天さんはまだこの領域には突入していない。私が「定義上ジャンク債ではあるが、欧米市場では大したジャンクでもない」と上に記したのはこれを意味している。
日本企業ではSBGがMoody'sによりこれをやられてCFR(下記)を授けられた(られそうになった)ことからMdy'sの格付を取り下げる事態に至り、それでもMdy'sは勝手格付ベースで「CFRでBa3」というのをSBGに与えて嫌がらせをしている。
それはそうと、典型的には下記の序列である。
■ 上位(発行体格付プラス0~2ノッチ): 第一抵当権借入、有担保シニア社債
■ ±0:発行体格付(S&PはCCR、Moody’sはCFR等と呼称)
■ 下位(発行体格付マイナス0~2ノッチ): 第二抵当権借入、無担保シニア社債
■ さらに下位(発行体格付マイナス2~5ノッチ): 劣後債、PIK債等
楽天さんは未だこういう分離形式になっていないので、上でいう「±0」の長期発行体格付で無担保債を出せているのだからマシだという話。
関連する大昔の拙Pickコメ:
https://newspicks.com/news/2019595?ref=user_240457
https://newspicks.com/news/2137093?ref=user_240457
https://newspicks.com/news/1381008?ref=user_240457
注目のコメント
見出しの資金調達部分はまだ発表されていないが、平川さんがリンクも張っているドル建て外債の償還発表されている。
下記でコメントした2022年11月発行のものと、2019年11月発行のものの償還。
ただ、そもそもその時点でドル建てで発行する理由が分からなかったし、またドル建て(当然ジャンク債になる、需要が強いからではなく、楽天の財務状況としてそうなる)で資金調達をするという報道が真とすれば、なぜドル建てなのだろう?
楽天ドル建て債、利率年10.250%に決定 約700億円発行(2022年11月)
https://newspicks.com/news/7829707
下記が現在の楽天の社債リスト。
https://corp.rakuten.co.jp/investors/stock/bond.html楽天の発表はこちら
2024年満期米ドル建シニア債の現金対価による公開買付けの開始に関するお知らせ
https://corp.rakuten.co.jp/news/press/2024/0125_05.html
米ドル建シニア債の発行並びに米ドル建及び円建シニア債の買入れに関するお知らせ
https://corp.rakuten.co.jp/news/press/2024/0125_04.html