訪日消費額、初の5兆円突破=コロナ前超え、円安追い風―23年
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解説今年は6兆円を超える可能性があるでしょう。 背景には、まず依然として国際便がコロナ前に戻っていない空港が全国に存在するからです。 また、コロナ前のインバウンド消費額の37%を占めた中国人観光客が依然としてコロナ前の半分程度しか戻っていないこともあります。 こうした国際便や中国人インバウンドの回復余地があることからすれば、インバウンド消費は引き続き数少ない地方経済活性化の起爆剤になることが期待されます。
ちなみに既に11か月分だけで旅行収支が3兆円を超えており、12月を待たず、これ自体は過去最大です。しかし、同じサービス収支内ではデジタル関係で赤字が▲6兆円にとどく勢いです。
要するに観光産業で稼いだ外貨はデジタル赤字を半分打ち返すにとどまります。デジタル小作人とは言い得た表現で、肉体労働が頭脳労働に制圧されている構図かサービス収支に凝縮されています。訪日外国人旅行消費額と一人当たりの旅行支出(21万2千円:2019年比33.8%)が政府目標(5兆円。20万円)を超えたのは主に円安と物価上昇の影響であることは説明するまでもありません。
内訳で最も上昇した宿泊費(7万3,000円)は客単価が上がったことだけでなく、平均泊数も2019年8.8泊から10.2泊と伸びています。
訪日外国人旅行者数に関しては、2,506万6,100人と2,500万人を超えたものの、コロナ禍前と比べて79%しか回復してないように見えますが、戻りが遅い中国を除くと102%の回復です。世界的な国際旅客数の急回復もあり、2024年は(災害や疫病等の問題が無い限りは)消費額6兆円と3,000万人は達成しそうです。
個人的には唐鎌氏が指摘されている通り、旅行収支が黒字でもその他サービス収支の赤字(過去10年間で約3倍)が増えていることを懸念しています。