バーゲンがなくなる日 セールの比率は4年で半減
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2020年、2021年はコロナで滞留した在庫がめちゃくちゃセールにかけられていました。今年も暖冬で冬の立ち上がりが遅く、ファミリーセールが大規模化しているブランド・小売も少なくありません。どうしても需給ギャップはセールを生みます。
一方で大量に生産して販売チャネルに任せる従来の手法はコロナ前から徐々に見直されてきました。一部の大手は小ロット生産をして売れたら追加する手法を磨いてきました。実際には生地の在庫をどこかが抱えているのですが…。在庫を一元管理して高頻度で店舗間配送をして最適化をかける仕組みも発達してきました。
またECの発達で、セールはプロパー価格で購入したお客さんの目にも入りやすくなり、ブランド毀損を招きやすくなっており、ファミリーセールやオフプライスストアなど露出を抑えたかたちで実施されているケースが増えている印象です。
他の方々も指摘していますが「Z世代の価値観」というのはハテナです。SHEINめちゃ売れとるがな。背景には、ファストファッションや100円ショップの普及で、機能やニーズや質に対する価格の基準が崩れたこともあると思います。
この店のバーゲン品でなくても、別の店で安くいつでも好きなものを選べるなら、わざわざバーゲンに行かなくてもよいと考える人が増えているのではないでしょうか。
つまり、定価よりどれくらい安くなったかという『アンカリング効果』が効きにくくなっているのだと思います。日銀の地域経済報告(さくらレポート)の百貨店について調べると、インバウンド、富裕層、高額品というワードが目立ちます。バーゲンが減少している理由が分かる気がします。友達のインスタ見てほしいものが出来て、商品比較が瞬時にでき、買いたいものを探さずに買えるのが現状ですからね。
一方、小売りについては、「物価高に伴う節約志向から購入点数が減少」「一部商品の値下げ」「複数商品の組み合わせ購入による値引き」などのワードが目立ちます。
【以下「百貨店について」引用】
・ 富裕層やインバウンドの旺盛な購買意欲がみられる中で、高額品や化粧品の販売は堅調に推移している(名古屋[百貨店])
・インバウンド向けの高級ブランド品の好調が続いているほか、気温の低下に伴って冬物衣料の動きも改善(札幌[百貨店])
・持ち直しの動きが一服(東北)
・インバウンド客の売上構成比はコロナ禍前の約2倍にまで上昇するなど好調なほか、地元客の売上も衣料品や高額品が前年を上回って推移(金沢[百貨店])
・幅広い商品の値上げで消費者の節約志向が強まる中でも、物産展の売上は昨年よりも好調となっており、選別消費のメリハリの強まりを実感(金沢[百貨店])
・売上高増加している(関東甲信越)
・富裕層やインバウンドの旺盛な購買意欲がみられる中で、高額品や化粧品の販売は堅調に推移している(名古屋[百貨店])
・宝飾品や美術品等の高額品を中心に、富裕層の消費意欲は強く、全体の販売額も前年を大幅に上回って推移している(神戸[百貨店]<大阪>)
・横ばい圏内の動き(中国地方)
・回復している(九州、沖縄)
・高級時計やブランドバッグなど高額品の売上が好調。特に韓国や台湾の観光客などインバウンド需要が強い(福岡[百貨店])
小売は人件費が上昇ペースに追いつくために値上げをしなければならないのに、相当苦しい状況だと思います。