民進党、少数与党に 議会で鍵握る第三勢力
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今回の選挙が前回(2020年)と違う最大の点は、民衆党の躍進です。
民進党と国民党という2大政党の得票は前回とほとんど変わっていません。
小選挙区で、民進党が国民党に競り負けている選挙区がいくつかあり(特に台北市)ましたが。
何よりも、第3勢力の民衆党が比例区で倍増したことで、結果的に他政党の議席が食われました。
民衆党の躍進によって議席を減らしたのは、時代力量などの、台湾独立に急進的な小政党です。
時代力量が議席を持っていれば、民進党はこれと連立して、議会第1勢力になることもできたでしょう。
民衆党は、草の根の組織をもっておらず、議席は比例区で取っています。
つまり、無党派層、浮動層、風だのみの政党です。
しがらみがないともいえますが、根無し草でもあります。
特に都市部の若い有権者からの支持で、ここまで議席をとっています。政策からいえば、何となくリベラル、都市部の若い世代を優先、外交は関心がない、といったところで、日本でいえば希望の党とか都民ファーストみたいなあいまいなものです。
少子高齢化社会で、若い世代が、既存の2大政党に不満を持つのは、当然のことではあります。40代以上の有権者だと、2大政党への投票が圧倒的です。
こういう根無し草の風だのみの政党というのは日本にもありましたが、政権担当能力という点で見れば、非常に怪しいところがあります。
ただ、2大政党が伯仲している議会でキャスティングボートを握っている以上、議席数以上の影響力を発揮することはできます。民進党51議席、国民党52議席でいずれも過半数に届かず(定数113)。そんな中、「第三の党」である民衆党が現在の5議席から8議席に上乗せしました。言い換えれば、民進党、国民党はいずれも、民衆党と何らかの形で組むことで、議会の過半数を掌握できるわけで、この辺の駆け引きや読み合いが頼清徳総統率いる民進党の政権運営を左右し得るのでしょう。
往々にしてネガティブ要因として見られる行政府と立法府の間の「ねじれ」を逆に起爆剤にできるか。議席を伸ばした「民衆党」、初耳なので検索したらあまり情報がなく、文春記事とWikipediaぐらいでした。それによると外交面では日米寄りだったり親中だったりと捉えどころのない烏合の衆、ただ既存の二大政党(民進党と国民党)にうんざりな有権者の支持を集めた、とあります。
かつての日本の「新党ブーム」みたいな感じでしょうか?
「台湾有事」よりも危険な未来がくる? ゴッタ煮の第三極“台湾民衆党”の力と怖さ
https://bunshun.jp/articles/-/68340