タクシーアプリ「GO」、日本型ライドシェア対応へ
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タクシーのシェアをライドシェアに奪われる危機意識から、ライドシェアシェアを自らのシステムの中に抱え込もうとする発想はわからないでもない。ただし、その元になっているGOという基盤システムの出来がよくなければ話にならない。先行したJapan Taxi がGOになり、失われたもの、顧客よりもサービス供給サイドの理由で盛り込みが見送られたものがあることはタクシーのユーザーであれば誰でも知っている。このあたりは、タクシー利用経験が少ないベンチャー界隈の人たちにはピンと来ないかもしれないが、GOが公開会社になれば、開示される数字で誰でもわかるようになるはず。
GOのシステムは、早くもレガシーシステムになり始めているというのが、私のタクシーユーザーとしての感覚。
"Put new wine into fresh wineskin"
(新酒は新しい皮袋に)
ということだと言うのは、ここ数年の銀行基盤システムの障害やUXの低さからも明らか、「人の移動」に関するシステム環境整備も、その例外ではないということです。タクシー業界は、主に安全性と、責任主体の不明瞭という2点を理由に、ライドシェアそのものに反対していましたが、こうして自業界で始めるのであれば、他業界からの参入を阻む理由は薄れてきたのではないかと感じます。
デジタル行財政改革の中間とりまとめでは、「タクシー事業者以外の者がライドシェア事業を行うことを位置付ける法律制度について、2024 年6月に向けて議論を進めていく」というステイタスになっています。6月に向けた議論に注目しています。行政と業界は自分たちの手の内に「自家用自動車有償事業」を置いておきたいのでしょうね。
それで移動の自由が確保されるなら良いのですが。
自家用自動車有償事業をやりたいと考える人がいて、自ら望んでタクシー会社と契約し、運行上の車両と運転手の管理を委ねるのか、アプリ事業者と組んで、個人営業主として活動するのか、将来的に選べるようにすることで競争原理が働きます。
現状では競争が進むとコストは下がっても「安全安心が担保されない」との危惧が世の中にあるのは事実です。「日本版ライドシェア」のあるべき姿に向けて、ステップバイステップで進めていかなければなりません。