生放送中のテレビ、武装した男らが乗っ取り エクアドル
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以前のコロンビアみたいな雰囲気になってきましたね。軍事・治安関係は専門ではないので、別のエクアドル専門家のレポートをざっとみると、コレア政権の対米姿勢と隣国コロンビアでの内戦終結がアンデス地域の麻薬組織の勢力図に変化を与え、エクアドルが麻薬組織にとっては重要度が増したと理解しました。とりあえず以下のように時系列で整理を試みてみます・・・
1)コロンビアのコカイン密輸監視のため、アメリカとエクアドルの間に1999年から2009年の10年間、米軍が使用できる協定が結ばれた(米国は同国内での麻薬問題根絶という動機あり)。しかし、この協定を2007年に就任したコレア大統領が延長せず、その後コロンビアから飛来する麻薬組織の飛行機や船に監視の目が行き届かなくなった。
2)他方、コロンビアの方は、米国とともに麻薬組織撲滅を目指す取り組みを継続。内戦を続けていたFARC(コロンビア革命軍、麻薬ビジネスで資金調達し重武装)と政府の間で2016年に停戦合意。麻薬組織弱体化(?)
3)それまでコロンビアで製造された麻薬の通過点にすぎなかったエクアドルは、コロンビアに替わり、周辺国から原料を集めてコカインに生成し、輸出する一大拠点へ。
4)麻薬組織増加(このテレビ局乗っ取りの直後に大統領が22の麻薬団制圧を宣言したが、それだけ数が多いということ)。麻薬組織間の抗争激化で殺人事件急増。
5)政府も対策強化(治安部隊に対しても犯罪者の銃撃前の銃撃も可とする大統領令出すなど・・)。刑務所改革もEUなどの協力のもとで進める。2023年の殆どの大統領選候補者が治安対策を掲げ、当選したノボアも明確なメッセージ打ち出す。
エクアドルでは2022年以降、いろんな州で非常事態宣言が出されていますが、コロンビアとの国境に近い北部州から港湾のある州にかけて目立つ感じです。
エクアドルも、治安が悪いだけの国ではないので、この際、NewsPicksの中南米トピックスでエクアドルの経済とか産業についても近々まとめてみようかと思います。麻薬組織の一斉蜂起です。
テレビ局、刑務所だけではなく、多数の公共施設が占拠されています。ただし、テレビ局は政府が奪還しました。
南北アメリカ大陸のコカイン流通の拠点、エクアドルは、これまで着実に破綻国家への道をたどってきました。
経済を麻薬組織が支配し、政府は通貨を発行することもできず、米ドルやビットコインを流通させていました。
先に攻勢に出たのは、政府の方です。
ギャングのリーダー脱獄、大統領が非常事態宣言 南米エクアドル
「ノボア氏(大統領)は8日、60日間の非常事態を宣言し、午後11時から午前5時までの外出を禁止。治安部隊にすべての政治的、法的支援を与える方針を示した。フィト受刑者の脱獄自体には言及せず、麻薬密輸犯や殺し屋、犯罪組織が政府に指図する時代は終わったと宣言した。」
https://www.cnn.co.jp/world/35213625.html
これに対して、麻薬組織側が、各地の政府機関を占拠し、人質を取るなどの行動に出ています。