2024年1月2日に東京国際空港で発生した航空機事故に関する緊急声明 / Urgent Statement for the Aircraft Accident at Tokyo International Airport on JAN 02, 2024
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言いたいことはわかるし、その通りなのですが、今現在でも何百何千と航空機が運航されている、そして今日も運航しなければならないという状況の中で、現場は今できるリスクマネジメントを限られた情報の中で立案・実行しないといけいないという現実もあります。
立場が違えば物の見方が異なるように、航空事故をオペレーションに対する脅威と捉え、そのリスクを極限することを目的とするオペレーショナルインテリジェンスやリスクマネジメントの立場からは、限られたデータと情報を分析してリスクシナリオを作成し、その対応を航空機の運用者とともに立案します。そこには当然誤りや見落としが発生するので、新しいデータや情報で仮説を見直すという手続きも発生します。そうすることで、今起きている状況下でも組織は意思決定できるようになります。
一方、事故調査の立場からは、事実に基づく調査・分析の結果を踏まえ、事故の再発防止のための対応と教訓を導き出すのが目的ですから、この声明のような立場であってもおかしくありません。刑事・民事の責任追及を恐れて真実が明らかにならないことの社会的デメリットが大きいからです。また、真実に基づかない「風説の流布」によって利益を得ようとする不届者も発生するリスクがあるので、その点にも注意が必要です。さらに、事故調査で得られた知見は、将来にわたって精度が高いインテリジェンスとリスクマネジメントの基礎となるという意義もあります。
なので、事故やインシデントが発生した場合に飛び交う情報を精査するには、発言者と立場が特定できるのか、情報の根拠が合理的か、情報源が信頼できるのか、情報が偽であった場合の影響を受け入れられるのかといった、多面的な検討が必要です。