イランで爆発、約100人死亡 殺害司令官の墓近辺 「テロ攻撃」と当局
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死者は200名を超えています。
下手人が誰か、は、今の時点でもいろいろいわれていますが、犯行声明などは出ないでしょうし、今後も誰がやったのか、はっきりと明らかになることはないでしょう。
陰謀の類というのはだいたいそうですが、中東は特に、いやがうえでも人々を不安で疑心暗鬼にさせる企てが多々あります。
①イランの反体制派(クルド人やバローチ人、イスラーム国系勢力なども含む)
②イスラエルの特務
③イラン政府(革命防衛隊)の自作自演
①イスラーム国ならやるかもしれません。中東で戦乱が広がれば、彼らが台頭する余地も増えるでしょう。少数民族勢力は、反動が怖いでしょうからこういうやり方に手を出すとは考えにくいでしょう。
②イスラエルの特務は、これまでイランでインフラの破壊や暗殺を繰り広げてきてはいますが、不特定多数の民間人を殺害するというのはやっていません。
③イランでは、昔から、世論誘導や綱紀粛正のため、政権の情報機関が、下手人不明の大量殺害を行う伝統があります。ただ、今回殺された200人以上は、明らかに政権寄りの人々なので、さすがに考えにくいです。
高い可能性で起きるのは、イランはイスラエルを標的にした「反撃」に出るということでしょう。
矢面に立つのは、レバノンのヒズブッラーでしょう。
レバノン人にすると大変な迷惑なのですが、イランの政権は、イランを戦場にしたり、イランが直接空爆されるような事態は避けたがるでしょう。
やるとしても、ペルシア湾の封鎖です。
ハマースにしても、ヒズブッラーにしても、イランの鉄砲玉としてイスラエルの矢面に立たされるために飼われています。記事にあるとおり、米国家安全保障会議は「米国はイスラエルが爆発の背後にいた兆候を確認していない」と述べていますが、イランとイスラエルの対立がエスカレートしていく可能性は一段高くなったかもしれません。
報じられているとおり、イスラエルは1月2日、レバノンに潜伏していたハマスの政治部門幹部サーリフ・アル・アルリ氏を殺害しました。
これに対し、レバノンのヒズボラが、「必ず罰を与える」と報復を示唆したことに加え、イラン外務省はレバノンの主権侵害であり、「この事件はイスラエルに対する戦闘意欲とレジスタンスに間違いなく新たな熱を生む」とコメントしていました。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024010300127&g=int
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-01-02/S6NCU7DWLU6800
今回のイラン・ケルマンでのテロが、イスラエルによるものだとの材料はありませんし、第三者がイランを巻き込む意図で行った可能性はあります。しかし、結果的には、イラン側がイスラエルに報復せざるを得ない状況をさらに作り出した側面はあります。
2日付けの報道では、イランは緊張が高まっている紅海にフリゲート艦を派遣したと報じており、イラン海軍と米・連合軍の間でも緊張が高まってきています。
https://www.politico.eu/article/iran-warship-red-sea-suez-canal-yemen-houthi/
米ガーディアン紙は、「米、仏はここ数カ月、外国軍とレバノン軍が緩衝材として機能する外交的解決策を検討してきた。・・・しかし、アロウリ暗殺事件、そして今回のカーマンでの残虐行為の後では、このような平和的解決の希望は、より乏しいものに見える」と分析し、中東地域全体の戦争に発展するおそれを指摘しています。
https://www.theguardian.com/world/2024/jan/03/whoever-is-behind-kerman-bombing-risks-igniting-regional-warソレイマニの追悼式典での爆発。テロはテロなのだが、ローンウルフの犯行にしてはあまりにも規模が大きい。それなりに後ろ盾がある勢力がやったと見るのが妥当と思うが、ソレイマニの追悼式典だというのを考えると、イランの政権に近い保守系の人々がターゲットだったとも考えられる。
現時点ではなにも分からないし、自爆だったのか何だったのかも分からない。ただ、イランは間違いなくイスラエルの犯行を疑うはず。「弱い者いじめ」の構図が定着し、国際的に孤立を深めるイスラエルがこうした事件をきっかけにイランを戦場に引きずり込みたいと考えるのは妥当。2024年の中東は、本当に危ない。