短期的に円高に振れる可能性も、石川県能登地震で-ストラテジスト
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未だにこういう一昔前の見方をしている人がいるというのが驚きました。3.11の際もレパトリという名目で確かに円高は進みましたが、実際、そのフローは統計上は確認できませんせした。それでも当時はまだラグを伴った貿易黒字もあり、レパトリや安全資産の・・・というのは説得力がありました。
2022-23年を経て、この言説を目にするとはとても驚きました。もちろん、投機のショートは溜まっているので巻き戻しはありうるでしょうが、どちらかと言えば1月のMPMが現状維持と見てほぼ間違いなくなった、という声の方が説得力があり、それ自体は円安を想起する話でしょう。日本が国難で円高になる原因は2つあります。(1)1つは311など過去に実際になったという実績です。(2)もう1つはその原因で、世界最大の債権国が国難で資金を国内に還流させたら円買い需要が生じるから円高になる、という主に外国人投資家の見立てです。しかし、ここ数年で120円を超えて150円に達する円高になったことで、(2)は実際には起こり得ない「張り子のトラ」だという見方が広がったと思います。資金需給としても、貿易収支は赤字、所得収支は大幅な黒字でも実際には円買い需要の生じない計算上の黒字です。金融市場で実際にポジションを持つプロの間では、80%以上の人がこう考えていると思います。つまり、国難で円高になることはない、昔のような購買力平価を超える円高にはもう戻らない、ということです。今回の地震は、この見方が正しいかどうかの試金石になると思います。私は75%の確率で正しいと見ています。