金利上昇で国債利払いが膨張 狭まる政策余地、転機の野放図財政―来年度予算
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注目のコメント
これって、マクロ経済を部分的にしか見ずに全体を見誤る典型的な例ですね。
事実、時系列データを見ると、金利が上昇するときのほうが財政収支は改善してます。
背景には、金利が上昇する局面というのは名目GDPも増える局面なので、税収がもっと増えることがあります。
同様の典型的な間違いが、政府債務が増えると金利が上昇するという考えです。
これも、政府部門の資金需給だけで見るとそうなりますが、金利ってマクロ全体の資金需給で決まりますので、まさに木を見て森を見ずというのはこういうことだと思います。
あと、金利や利払い費のグラフも、23年度の補正後予算と24年度の当初予算をつなげて描くのは誤解を招くと思います。
きちんと、決算と補正後予算と当初予算を別々に時系列で描けば、いかに当初予算で毎年の金利や利払い費を高めに設定しているかがよくわかります。政府が莫大な借金を抱え、日銀が発行済み長期国債の過半を買い占めている我が国で金利が上昇したら、政府の利払い負担と日銀が出す赤字の穴埋めで財政が余力を失うのは確かでしょう。とはいえその影響がどの程度出るかは経済成長率と金利の状況次第の側面があって、経済成長率が国債金利を上回る状況が続いていれば、政府債務のGDPはそれなりの数字に収まって、大きな問題にならぬと考えることは可能です。現に我が国では、長期に亘って経済成長率が金利を上回る状況が続いています。今後もこれが続くなら金利の上昇は大した問題でないと言えますが、国債金利が経済成長率を上回るほど上昇すれば政府債務のGDP比が拡散し、財政の持続性は消え去ります。さて我が国はどちらの方向に向かっているものか・・・ 金利が上昇すれば、そのあたりがもう少しはっきりして来るかもしれません。
政府の財政が行き詰ることを望みはしませんが、金利が経済成長率を下回る状況は、庶民の貯蓄が本来得るべき利息を得ることが出来ず、富が政府に吸い上げられている状況でもあるのです。来年度の予算の在り方はともあれ、日本の財政運営の在り方が問われる局面が続いていることは確かであろうと思います (・・;ウーン