映画『PERFECT DAYS』ヴィム・ヴェンダース監督インタビュー──「孤独」の強さと美しさを描く
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PerfectDays見たあとに反芻して思ったのは、これ実は結構昔からある、出家・遁生の話なのではという事だった。直系の古典でいえば鴨長明の「方丈記」とか。(単に最近方丈記読んで面白かったことからくる連想かもしれないが)
話中でほのめかされる主人公の太い実家からの出奔とか、狭さ大爆発のアパート、木漏れ日の観察に心をとられる日々などにこの手の遁世ものの特徴が出ている。新しいようで実は古い、日本人が繰り返し憧れてきた境地の最新バージョンを展開したのがPerfectDaysという映画なのではなかろうか。
ちなみに「方丈記」、世界は気候変動や突然の大地震、戦争と大火事の連続な一方、人間関係もいい加減バカバカしいしすっかり世の中というものに疲れましたわ…という鴨長明の一人称世界が展開されるのだけど、シチュエーション的にこれ私達の現代そのものではなかろうか。古文もあんまり難しくないんでぜひ読んでみてほしい一冊だ。