【独占】「Microsoft最高幹部の日本人」が見た世界企業の醍醐味
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巨大企業にあるあるのAI縦割り開発
Microsoftは音声認識で、社内競争と調整があったと。IBMやLINEで経験し、おそらくGoogleやAmazonにもある、起こるべくして起こる悩ましい課題。縦割り開発の横串は、かなりタフな調整で、それが出来ると強い。
=引用=
音声認識技術の開発を一例に挙げましょう。
かつてはWindowsやOfficeのチームが自分たちの製品のために音声認識エンジンを開発し、クラウドの「Azure」のチームは外部のお客さんに売るために開発をしていました。
AIがますます大事になる中で、いちばんよいものをどうやって効率よく作るかが課題になりました。3つのチームに分かれるより、経営資源を集中させたほうが当然いいわけです。
議論を経て、すべての製品がアジュールのエンジンを使うことに決まりました。アメリカのビッグテック企業の「CXO」、つまり経営陣に、日本人が名を連ねるのはおそらく初めてではないでしょうか。2023年10月、マイクロソフトのチーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)に就任した沼本健さんは、これまでも日本人幹部として注目されてきましたが、いよいよサティア・ナデラCEO直下でグローバル戦略を率いる立場となりました。
今回は就任後初めてのメディアインタビューとなります。これまで何度も沼本さんに取材する機会がありましたが、「やるべきことをやるだけ」というシンプルだがストイックな姿勢を感じています。通産省を辞めてMBA留学を経て、いきなりマイクロソフト本社に就職するという道を選んだパーソナルな話も聞きました。グローバルビジネスの本当の最前線で働く方の声を、ぜひ新年の前向きな気持ちでお読みいただければ幸いです。沼本さんには3年くらい前のオンラインAOM (Academy of Management)にゲストとしてご登壇いただき「なぜオフィスをサブスク(つまりOffice 365)にするのに2年もかかったのか」をお話しいただいたのが印象に残っています。
それにしてもマイクロソフトでもある意味「配属ガチャ」で潜在力を発揮されてきたんですね。当然ですが企業によっていろいろなやり方があっていい、というかあるべきだと改めて感じました。