【峰岸会長】リクルートが守り続ける「大原則」を教えよう
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金言ですね。身にしみる言葉でした。
>そのとき最初に「いま一生懸命にやっていること、時間を費やしていること」を聞きます。次に聞くのが「経営の長期戦略」です。
そして、一通り話を聞いたあと、「あれ? いま一生懸命やっていることを聞きましたが、長期で決めたことが一個も入ってない ですね」というようなことがよくあります。
長期で決めた目標にコミットしていないことが、少なくないのです。
ファンタジーのようなパーパスやビジョンは設定されていますが、それを実現していくための、中長期で本当に解決したいことは何で、それを自分たちの会社でどのように成し遂げるのか、真剣に問うてないのだと思います。
どの企業も、創業時は明確なビジョンがあったと思います。でも、事業を拡張していくうちに、やっていることが分からなくなることが多い。
例えば、創業から長い年月がたつと、「既存事業の成長でいくら、周辺領域への拡大でいくら、足りない売り上げはM&Aで補います」といった売り上げ数字からバックキャストした中期計画を作る企業が増えてきます。
長期目標に向かうために、一番しなければならないアジェンダが中期計画に反映されていないことが多い。
売り上げを作るための机上の設計作業をしているように見える場合もあります。
「短期的な売り上げを作るのではなく、長期的にやらなければならないことに資源を全て投入したほうがいいんじゃない?」という話は、食事したときなどによくしますね。「個の能力の発揮」のために「トップダウン的に仕組みをがっちり作っている」という逆説的なところに改めて驚きました。個人が自立的に決めて組織の目的を達成するためにはそうするしかないという中途半端ではない割切りが感じられます。卒業もいとわないのはそういうことでしょう。
リクルートという会社は、知れば知るほど、すごい会社だなと思います。気付けば、時価総額10兆円、売上高は3兆円を超え、今も成長し続けています。リクルート事件というスキャンダルを乗り越え、各時代の社長が、その時々に必要な施策を打って、会社を成長させてきました。
江副氏はその後、ほぼ表舞台に出ることなく、亡くなられましたが、近年、改めて、その功績が評価されています。大学発ベンチャーの走りであり、360度評価、従業員持ち株制など、いま多くの企業が導入している制度をリクルートは1970年代から取り入れていました。
峰岸さんの時代になり、リクルートはグローバルなテクノロジー企業として、さらなる成長を遂げました。社長就任直後の海外売上比率は3%。Indeedの買収額は約1000億円で、当時「高値掴み」と報道するメディアもありましたが、その後の成長を見れば、M&Aの大成功事例といえます。
江副氏とほぼ接点のなかった峰岸さんですが、リクルートのDNAが確実に受け継がれていると感じます。江副氏が、峰岸さんの成長戦略を知り、手紙を書いた話を知ったときはグッときました。
経営の世界から突如退出せざる得なくなった江副氏には、まだまだやりたいことがたくさんあったのだと思います。夢を実現してくれる若手が現れたことは、この上ない喜びだったと思います。