東京ガス、米天然ガスのロッククリフ・エナジー社買収 約4050億円
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注目のコメント
これは大規模な買収です。
ガスはトランジションエネルギーとしてまだ必要とされます。
同社の発表では買収後は米国で約1,300百万立方フィート/日(天然ガス相当量)を保有することになるとのことですが、単純計算で日本が輸入する液化天然ガス(LNG)の1割に匹敵する規模です(全て日本に輸出されるわけではないのであくまで規模感の話です)
東京ガスのような企業が海外のガス田を保有するメリットとしては大きく3つあると思います。
①ガス資産を直接保有することにより自らのLNG輸入分を確実に確保できるというエネルギーセキュリティー上のメリット
②価格ヘッジ:ガスの国際価格が上がった場合、ガス販売による儲けにより国内での価格転嫁が遅行することによる損失を補える。また海外からのLNGはドル建てで購入しているので、円安によりLNGは割高になる一方で海外での収益はドルなのでヘッジが働く
③日本のエネルギー産業の一角を担う企業が収益力を上げて財務基盤を強化することによる日本のエネルギー供給の安定性を確保する。
米国の様な先進国でのガス資産保有&LNGの輸出はメリットがありますが、過去には国内需要を優先する為にLNGの輸出を禁止した時期もあったので、豪州、中東、アフリカも含めた供給元の分散は引き続き重要となります。例えばアフリカは、先進国と比べるとテロや戦争などのリスクが高い一方で、国内のガス消費量が少なく外貨も必要としているので米国の様にLNG輸出を禁止するインセンティブは低いと考えられます。
https://www.reuters.com/article/usa-energy-biden-idJPKBN2QZ1KY/