赤字、リストラ、コンビニ撤退「本の物流王」の岐路
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日販、トーハンの二大卸(取次)が日本の出版流通を長らく牛耳ってます。
この10年で大きな波が二つ。
ひとつはAmazonの隆盛。
もうひとつは電子書籍の普及拡大。
この二つは出版のビジネスモデル、書店流通に大きな変革を迫った。
取次として君臨してきた日販、トーハンも影響から逃れられず。
二社以外の中小取次は消えて行った。たとえば大洋社。
私が出版事業を担当していたのは7〜10年ぐらい前。
その頃に大洋社から生々しい廃業の報告をいただいた。
大手二社による「首絞め」。ひどい話です。
https://biz-journal.jp/2016/02/post_13805.html/amp
弱小出版なので日販の担当者からはたまの見本納品時に横柄な態度でよくいびられました笑
売上が少ないと言う理由で契約の不利益変更も強いられた。
一方で、トーハンはわりと友好的なのは社風の違い?
当時、今のような状況になることは業界では多くの人が予測はしていた。
ただ、巨大な利権と権力を握っている組織や人たちはすぐには変われないのは古今東西の歴史が証明しているところです。驕れる◯◯的な。
Amazonに対して最初は版元である出版社の方が警戒をしていた。コンテンツの権利やビジネスモデルを脅かされると思ったのでしょう。Apple Musicが出てきたときの音楽業界の反応、抵抗と似ている。
一方で、日販、トーハンはただの取次、流通機能なので、そこまで反発したわけではなく。
版元もいざ乗っかってしまえば、今やAmazon様様。
電子書籍は配送のための流通網が要らないので、取次、書店においては死活問題。
一般書籍を絞って漫画本を強化して生き残りを模索した書店も少なくなかったと思いますが、今や漫画も電子書籍で済ませる人たちも多い。
結果、取次も書店も予測通りのジリ貧状態へ。
そのような厳しく追い込まれた状況で取次は合理化、コスト削減を進めてはいるが、肝心の新しいビジネスの種が育って無いと言う状況でしょう。
特にコンビニ流通を手放し、トーハンに渡してしまう日販。
取次は自分でリテイルを持ってこなかったので、リテイル=アナログ販売網は重要な稼ぎの場であったはず。
ただ、コンビニは配送コストの負担が大きく利益が出にくいのも事実。
今の時代、卸は付加価値をつけられないと生き残れないのは出版流通に限らず。昨日、日販の関係者と話しました。
売上げデータ購入の誘いでしたが、マガジンx単品商売の当社ではコスパが出ないとお断りしました。
出版各社の部数減についての危機感を共有しました。
日販に万が一のことがあると、書店を中心とした雑誌書籍流通が崩壊します。書店や中小零細出版社も多くが連鎖倒産するでしょう。
これも「時代の流れ」と切り捨てて良いのでしょうか。確かにコンビニの雑誌はコンビニに利が大きく取り次ぎにメリットはないでしょう。街の本屋はかなり数が減り、駅やショッピングモールに集約されつつあります。あと数年したら街の本屋の配本を止めると言い出しそうな気がしてましたが、それはやらない、と言い切ってますね。