いま学び直したい、「半導体」の基礎教養
コメント
注目のコメント
競争戦略の視点から半導体産業の変遷を見てきた一橋ビジネススクール教授 楠木さんと、後工程材料世界シェアNO.1企業レゾナック・ホールディングス最高戦略責任者(CSO) の真岡さんによる対談をお届けします。
半導体に関する話題になると、決まって聞こえてくるのがその産業の凋落への言及です。ただ楠木さんによれば「かつて日本の半導体は世界を席巻したと一括りにまとめられるが、そこには誤解を生んでいる側面もある」とのこと。
ではその真意はどこにあるのか。二人の戦略のプロと半導体産業の勝ち筋を考えます。
なお本連載2本目は、東京大学 d.labセンター長/RaaS理事長の黒田忠広教授とともに、
次世代半導体に求められる技術革新について深掘りする予定です。面倒でなくて儲かるなら、参入するのが合理的。そしてそういう事業は供給が増えるから儲からなくなる。タピオカとかが代表例だが、その機会を捉えられるかがキーで「機会事業」と言える。
一方で続ける中で他社との相対的な差が開いていくものは「障壁事業」(なお、機会・障壁の分け方は、みさき投資中神さんの捉え方)。面倒なものでも、続けるうちにノウハウや社外とのコネクション・チャネルが累積的に積み上がったり、社内プロセスが整備されて効率的になることは、障壁づくりの典型。これを知らない人ほど、日本はかつて半導体が強かったと言いがち
---
楠木 かつて日本の半導体は世界を席巻したと言われますが、それは全面的に日本が強かったというよりは、実際はある一つの領域。単純にメモリの分野が強かっただけになります。
データを保存するメモリは半導体の一分野に過ぎず、当時はたまたま産業全体に占めるメモリの割合が高かった。そのため相対的に日本の半導体企業が強かったように思えるだけです。