経営層の意識改革も実現。「保有技術の見える化」が必要なワケ
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荏原製作所マーケティング統括部長の須田和憲さんと対談をしました。
荏原製作所では「技術人材マップ・技術元素表」という、保有する技術の棚卸しをした一覧表を公開しています。
こうした取り組み自体は、それほど珍しいことではなく、いくつかの製造業ではすでに見られることです。しかし、荏原製作所の興味深いところは、この作成は企業変革の一つの入口になっているという点です。
「煙突文化」と記事中に出てきますが、これまでの荏原製作所の高収益を支えてきたのは、事業部でサイロ化した組織でした。しかし、今後イノベーションを生み出してさらなる高収益化を図ろうとすると、内側・外側と有機的に連携して、新規事業や新製品・サービスの開発を進める必要があります。
その点を見据えた取り組みの全体像の現れのひとつとして、同社の「技術人材マップ・技術元素表」の取り組みがあるとお聞きし、なるほどと思いました。
個人的には、荏原製作所は今でも十分高収益企業であると認識をしていましたが、さらなる高収益化とイノベーションの推進を図ろうとされていることに驚いたこと、須田さんがマーケティング統括部という一見すると技術系とはあまり関係がなさそうな部署の方でありながら、実は、マーケティングという市場(組織の外部環境)との接点から組織を統合するための取り組みをされている中にこの活動があることがわかり、とても興味深かったです。スキルの可視化の事例としてとてもおもしろい取組み。この元素表をもとに現状の人材(スキル)分布を確認したり、獲得すべき人材(スキル)を明確にしたりすれば事業目標達成に向けた人材(スキル)ポートフォリオを構築していける。エンゲージメントやコミットメントにばかり目が行きがちだが、「スキルベースの人材マネジメント」は、特にテクノロジーの時代にはとても重要。
組織のコア技術を見える化し、あえて社外にも公開する。産業機械メーカ・荏原製作所が今年から始めたユニークな取り組みです。
その名も「技術人材マップ・技術元素表」。自社の技術を元素表に見立ててまとめたもので、表を公開して以来、国内外から共同開発などを求める企業からの問い合わせが大きく増えているとか。
なぜこの表を作ることになったのか。経営戦略にどのように組み入れているのか。
荏原製作所の須田和憲さんと埼玉大学経済経営系大学院の宇田川元一先生に話し合っていただきました。
どんな表か気になる方はこちらをご覧ください。
https://www.ebara.co.jp/technical-personnel/index.html