高速道路に物流カートレーン 国土交通省、自動運転で輸送
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先週末、国交省道路局の本件担当者と1時間話してきました。マガジンx2月号で記事にするつもりです。まずは新東名の片側3車線区間100キロあまりで、「自動運転車両」を走らせる計画です。ここで知見を蓄えます。
ただし、問題も山積しています。
⚫︎最高速度120キロの乗用車と同80キロでは、速度差が大きい。安全は保てるのか。本線合流が難しい。
⚫︎サービスエリアで乗員交代するとして、どのようなやり方が良いのか。構想では自動運転トラック専用のマスを設けます。が、そこに一般車が紛れ込んだりしないか。
⚫︎高速道路出口先の物流倉庫までどうやっていくのか。短距離でも一般道路を走る必要性がある。
⚫︎道路インフラ側での安全対策は当然として、トラック側の技術革新が想定通り行くのか。担当者は「車両側の役割が大きい」旨の発言をしています。
同じ日に車両側の責任者とも話しました。「クルマと道路でしっかり連携してやっていく」とします。
⚫︎そもそも混雑する新東名で、左側車線を自動運転トラック専用にすると、残り2車線に他のトラックが混在する。混雑を助長したり、120キロ走行するクルマの運転の妨げにならないか。
⚫︎3車線路から2車線路に車線減少するところの対策など。新東名の全線3車線化は待ったなしです。
解決すべき課題はたくさんあります。私は担当者お二人に「技術革新が目的ではない。ユーザーの利便性向上のために、手段としての自動運転がある。そのことを税金を使ってやっている立場として肝に銘じて欲しい」と話しておきました。これは早期に実現してほしい…けれども課題は山積。コンテナだけ専用レーンに流すなら途中に積み替え用のターミナルが必要だし、理想をいえばチューブ状に覆って安全性を確保したい。電力供給をどうするかも課題になる。それを考えると、実は隊列を組んで走る自動運転トラックのほうがコストが安いかもしれない。ドライバーは必要だけど人数は大幅に減らせるし、新規インフラの構築コストが圧倒的に少なくて済む。
鉄道貨物輸送と同じで、ドアツードアには集配機能が問題となるので、結局旅客を含めた自動運転全体の運用問題に収斂されるでしょう。わざわざこの問題を取り上げる意図は、JR貨物廃止の道筋をつけることにあるのではと推測できます