【教訓】和食を全米に。「くら寿司」がアメリカ上場で学んだこと
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くら寿司USAのナスダック上場を請け負った石井静太郎さんは、アメリカの半導体製造装置大手アプライド・マテリアルズや、かつてナスダックに上場していたFRONTEOでCFOを務めるなど、アメリカの資本市場を知り尽くした方。ナスダックの日本法人も、上場を考える経営者たちに石井さんを紹介するのだそう。カリフォルニアから力強い言葉をもらいました。
最近ナスダックに上場する日本企業にアナリストのカバレッジがつかない中、今年6月にはシティ、7月にはバークレイズがくら寿司のカバレッジを始めました。上場から4年が経ち、ようやくといったところでしょうか。
数年前にナスダックに上場した海外のスタートアップ経営者に先日取材しましたが、こんなことを話していました。
「創業者はアメリカに行き、とにかくコネクションを作るべき。ニューヨークのカンファレンスに参加し、バンカーたちに会う。大手の機関投資家とは上場の3〜4年前から関係を築いてきた。結果、彼らが上場時に投資してくれた。とにかく現地でネットワークを築くこと。それに尽きる」
自ら行動して成果を残してきた人たちの言葉には説得力があります。「何もない会社がナスダックを選択してもむだです。アメリカの投資家は、お金の匂いを感じることのできるプロなのですから。」うーん、こんなあたりまえのことが記事になるのはなぜだろう?
「カネの匂いがするか」というのは真実だと思う。外部の投資家がつくということは、リターンを上げるためであって、米国か日本か、上場か非上場か問わず、そういうこと。
株主は、最終利益の享受者。それまでに様々なコストが差し引かれた後の脆弱なものだから、利益やお金の使い方への拘りが強いし、そのために議決権などもある。だから「カネの匂いがする」というのは本当に重要なこと。