クリスピー・クリーム株下落、減量薬ブーム受けて投資判断引き下げ
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GLP-1作動薬の体重減少効果や食思低下効果はかなり確固たるものがあります。
ただ、何を摂取するかが大きく変わるわけではなさそうです。多少は影響があるのかもしれませんが。
ランダム化比較研究のレビュー(英語)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9987242/
とはいえ、そもそも摂取量が減るわけですから、特に欧米の肥満者が多い国では大きな影響が出るのかもしれませんね。
BMI>35ですと胃を切るような手術を受けることが将来の心血管リスクを大きく下げるくらいですから、肥満というのは単純に大きな問題でもあります。
さて、これが健康志向という世界的な流れを大きく変えるかというと、世界中で以前から健康志向になっているという話がありますけど、それを大きく変えるようなものではなさそうです。
また減量に作用するものの、顔の皮下脂肪も減るためにシワやたるみが増えて5歳ほど老けて見えるという話も...それに対してヒアルロン酸注入や脂肪移植という話もあるようですが...どこへ向かうのでしょうか??
顔面美容外科(英語)
https://www.thieme-connect.com/products/ejournals/abstract/10.1055/a-2148-6321?device=mobile&innerWidth=980&offsetWidth=980
GLP1a自体はとても良い薬剤と思われるものの、「なんだか変な方向に」向かってるような気もしながら眺めています。3-4人に1人が肥満のアメリカと、4%程度の日本や韓国では大きく違う気もしますね。
注目のコメント
「GLP-1受容体作動薬は、脳の食欲調節機構に対して作用 することなど、中枢における摂食抑制作用を有し、血糖値 を下げるだけでなく、体重も減少することが確認された」
これは10月25日に行われた日本医師会の会見で使われた説明資料からの引用ですが、ゼオンピックなどに「摂食抑制作用」つまり「食欲自体を抑えてしまう」効果があるとすれば、クリスピー・クリーム・ドーナツに限らず、いわゆるジャンクフードに対する需要が減少する可能性を示唆するものだと考えていいかも知れません。これは、摂り過ぎた糖分を体外に排出してしまうスーグラなどの従来の糖尿病治療薬とは根本的に異なるゼオンピック(GLP-1受容体作動薬)の特徴から派生するもののようです。
ここで私がふと思うのは、「食欲を失わせてしまう」ことが人間の生活に与える影響です。"Hunger is the best sauce"というソクラテスの言葉を無意味にしてしまう発明は、果たして人類を幸福にするのだろうか?そんなことを思ったりします。
・日本医師会会見資料(2023年10月25日)
https://www.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20231025_4.pdf
https://www.med.or.jp/nichiionline/article/011391.html『やせ薬があればドーナツ食べても大丈夫!』
という判断ではないのですね。
やせ薬があることで、逆に健康指向に人々は注意を払うようになるという見立てと。
自分なんか免罪符があれば欲望に負けて暴飲暴食してしまいたくなりますが。
不健康のリスクは人生を通した総満足度を下げると賢い人類は気づき始めたのですね。